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校舎の新・増改築

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 この時期、校舎を新・増改築した学校が非常に多い。このうち二十五年の札幌大火の際のように火災による焼失が原因のものもあるが、同時に人口増加、就学者の増加による校舎の狭隘、それに腐朽が多い。この中には旧藻岩学校校舎のように、ロシア式丸太造りの本格的なものが工法の不適切から早々に老朽化したものもあるが、それよりもたとえば札幌本府建設用として建てられた人夫小屋を移設したり、その他仮校舎というべき建物によってとりあえず教育を発足させた場合が多く、そのため早々に使用に耐えなくなったものが少なくはなかったと思われる。新聞、教育関係雑誌等によっても、原因に老・腐朽を明記しているものだけでも藤古小、篠路小、白石小、上手稲小などがあり、実際はこれよりかなり多かったと思われる。狭隘と記されているものも、この時期に至ってようやく学校校舎といえるものが建築された場合が少なくない。
 建築費も住民にとってかなりの負担であった。札幌区大火では、すでに述べたように区債をもって焼失した小学校の新築費にあてると定めたが、内訳は創成小が八〇〇〇円、女子小が六〇〇〇円とされている(北海道教育会雑誌 一三)。また火災で焼失した山鼻小は、新築費一〇〇〇円のうち道庁補助を二〇〇円受けている(同 一五)。