札幌市は大正十二年五月二十九日に
都市計画法適用市に指定され、十三年から計画区域などの調査・調整・計画などが進められていく。これには将来の人口を五〇万人と予測して立案されていくが、昭和二年一月十二日に
札幌都市計画区域が決定した。計画区域化は
札幌市の中心、大通西四丁目より四マイル(約六・四キロメートル)までを目安にして設定されており、その区域には
豊平町、白石、
札幌、琴似、藻岩の各村の一部も区域化されていた。
豊平町は大字
豊平村の全部(現在の美園)、大字平岸村の北部(中の島・平岸)であり、主に月寒川以北の地域であった。
白石村は月寒川及び逆川以西であり大字上
白石村は全域含まれており、全村の三分の一が区域となっていた。
札幌村は大字
札幌村の南部、大字苗穂村の西半分、大字雁来村は西部、
琴似村は大字
琴似村の大部分と大字新
琴似村の南東部であり、
藻岩村は大字円山村の全域、大字山鼻村の北部で全村の三分の一に当たる区域であった。諸町村で計画区域に編入された面積、人口は表13の通りであった。
| 面積(ヘクタール) | 人口(大14) |
豊平町 | 132,760 | 2,934人 |
白石村 | 136,463 | 3,595 |
札幌村 | 171,901 | 6,765 |
琴似村 | 196,231 | 3,634 |
藻岩村 | 165,025 | 4,483 |
札幌市の面積が二四万一九九〇ヘクタールなのに対し、これら五町村では八〇万二三八〇ヘクタールとなっていた。面積的には
札幌市の三倍もあり、都市計画の実施において五町村の意向が重大な役割をもっていた。それと同時に住民の意向もあり、必然的に町村の併合や境界変更の問題は避
けられなかったのである。まず、
札幌村の村域が
札幌市へ編入されることとなる。