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札幌市の都市計画区域

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 決定された札幌市の都市計画区域は、図3にあるように、札幌市、豊平町の一部、白石村の一部、札幌村の一部、琴似村の一部、藻岩村の一部である。「札幌都市計画区域決定理由書」には、「都市計画区域決定ノ基本ハ、将来ニ於ケル都市ノ発展ヲ予調シ、有機体トシテノ機能ヲ充分発揮スルニ適当ナル範囲ヲ明ニスルニ在リ」とし、その範囲を測定するには、「通例人口ノ増加率ニ依リ、之ニ加フルニ土地ノ形態、行政区画、交通ノ設備、産業ノ状態等」を考慮しなければならないとする。そして次のように区域を設定するとした。
今如上ノ見地ヨリ札幌都市計画区域ヲ案スルニ、交通機関ノ相当普及発達シタル時機ニ於テ、一時間以内ニ市ノ中心地点ニ到達シ得ヘキ範囲ヲ基本トシテ定ムルヲ要ス。然ルトキハ現在札幌市ノ商業的中心地点タル大通及停車場通ノ交叉点ヲ基点トセル半径約四哩ノ円圏内、即チ市ノ区域ノ外豊平町白石村札幌村、琴似村藻岩村ノ五箇町村ノ一部ヲ包轄スル彊域ヲ以テ札幌都市計画区域ト定ムルヲ最モ適当トスヘシ。其ノ総面積三一、五九二、二〇〇坪トナリ現在札幌市ノ面積七、二二〇、二〇〇坪ニ比シ四・三倍トナル。前記区域内ニ於テ将来包容シ得ヘキ人口及其ノ密度ヲ考察スルニ、札幌市ノ標準密度ヲ中枢部一人当リ二〇坪、周囲部一人当リ四〇坪トスレハ、其ノ利用面積七、〇六七、二〇〇坪ノ許容人口数ハ、二五六、〇五五人トナリ。又市外都市計画区域ノ標準密度ヲ一人当リ八〇坪トスレハ、其ノ利用面積二〇、三六七、〇〇〇坪ノ許容人口数ハ二五四、五八八人トナル。故ニ都市計画区域ノ全利用面積ニ対シ、許容人口総数ハ五一〇、六四三人トナリ、平均密度ハ一人当リ五三、七坪トナル。今最近十年間ノ統計ニ基キ人口増加ノ傾向ヲ推測スルトキハ、市部ハ大正三十一年ニ、郡部ハ大正六十三年ニ於テ飽和状態ニ達スルモノト見ルナルヘシ。
(公文雑纂)


図-3 札幌都市計画図〔地域・街路網・事業路線〕(昭12 文資)

 この決定された区域は、臨時経画調査委員会の報告書(近晋策 大札幌と都市計画)で示された区域とほぼ同様な区域である。報告書の影響が色濃いように思われるが、『札幌市史 政治行政篇』では、区域を決定するには前述のように様々な意見があり、意見の統一を図るのが非常に困難であったと述懐している。そして「ちょうどその頃、内務省の方針として市境界より一哩から一哩半の距離にある形の整ったものを区域とするように通達があった」ので、その方針に従って検討を行ったとしている。しかし上記引用文に四マイルの円圏内とあるし、この区域を掲載した新聞の報道では、「札幌市の中心たる大通と停車場との交叉点よりを中心として、直径五哩の円周をえがきたる面積を基準とし分水嶺、河川道路等の如き地勢を参酌して決定したものである」としている(北タイ 大15・9・16)。また、札幌市教育委員会が所蔵する都市計画区域決定の資料として作成されたと思われる地図の中に、札幌の中心部からの時間帯を示した『時間帯図』があることから、中心や境界からの距離だけでなく、中心部への通勤時間帯なども考慮に入れて設定した区域であると思われる。