〔衣料品〕綿ネル、木綿、産着用中入綿、婚礼者特別衣料、タオル、手拭、腰巻。〔食料品〕酒、砂糖、小麦粉、小豆粉、片栗粉、飴、晒餡、鰹節、林ごジャム、漬物用塩、酢、生菓子、乾菓子、豆菓子、乳児用ビスケット、乾パン、パン、野菜、玉葱、馬鈴薯、牛蒡、ホーレン草、果物、梨、みかん、夏みかん、りんご、生鮮魚、鰊、塩鮭、鱒、筋子、肉、鶏卵、豆腐、海苔、高野豆腐、乾麺。〔家庭金物類〕湯沸塩釜、鉄板製煖爐、煙筒、曲手、アルミ製品購入券、ストーブタンク、バケツ、ホーロー鍋、下敷用レザー、鉄兜(希望者)。〔燃料〕木炭、石炭、マッチ、薪、ナル炭、ローソク。〔その他〕衛生綿、石けん(固型、粉末)、洗剤、鉄帽、ガーゼ、塵紙、洋傘、妊婦用塵紙、暑中見舞用絵はがき、切手、はがき。
なお、市役所物資係が十八年に扱った物資の配給状況を表47で示した。これら配給品は、マッチ券、石炭券、ウドン券といった切符制で購入するようになっており、このため公区長は毎月公区の世帯・人員を調査し、人員に応じて隣保班長を通して手渡された。二月十三日の項の「玄米食普及ニ関スル件、北海道食糧営団札幌支所ノ主要食糧配給ノ件」は、この二月から玄米食が普及されていったことを示しており、その配給所も二月十五日に統廃合され、当公区では北五西一四の配給所が指定店となった。配給は最低生活の維持に欠かせない重要課題であったにもかかわらず、実際には二、三時間の行列買いもめずらしくなく、公平を欠くなど不評であった。この対策として、八月以降「鮮魚介青果物購買票」を導入した(道新 昭18・9・15)。食糧の絶対量の不足は、空閑地利用食糧増産運動や野草採りを奨励した。また、衣料の不足は大政翼賛会提唱の「勝ち抜く間に合せ」生活運動のとおり、新調の見合せ、廃品利用、不用品交換が隣組婦人班によって実践されていった(道新 昭18・2・11)。特にこの時期、妊産婦や栄養失調の子供を持つ家庭では特別の配給に頼らなければならなかったことも記しておく。妊産婦の場合、十七年七月厚生省の「妊産婦手帳」の交付により、妊産婦用必需物資・食糧の優先配給が受けられた。また、栄養失調の子供を持つ家庭では、鶏卵一個等の特別配給が受けられた。だが、これらも公区長の下付願の証明書が必要とされた。
写真-14 空閑地利用食糧増産運動(大通西6,北タイ 昭16.5.25)
なお、公区に課せられた経済活動の領域に金属回収がある。十七年中にも頻繁に実行され、住宅の鉄格子や鉄扉、狸小路の鈴蘭灯、はては寺の梵鐘までが供出された(道新 昭18・1・16)。