[翻刻]

   乍恐願書を以御訴詔申上候御事      1
一当八月朔日・二日之大満水ニ而御田畑ハ不及申、家屋敷・
 家財・夫食・衣類・種物・諸道具・冀・灰共ニ不残
 流失仕、当分より被下候物一円無御座候、尤御田
 地流不申候以前茂困窮之百姓ニ御座候、当
 八月之大満水ニ而夥敷田畑・家財流失仕候
 得ハ、鎌・鍬・諸道具之代金致方茂無之、御田     2
 地開発可仕様無御座候、纔(わずか)斗(ばかり)御田地ニ御座候
 間当立毛前々江被下込候間、当暮より渇命 
 仕候間、御慈悲を以当立毛御見捨ニ被
 遊被下候様ニ(脱文カ)大小百姓難有奉存候、以上、
            上畑村
 寛保弐年戌九月 日     名 主 孫 之 丞(印)
               与 頭 太 四 郎 判流
               年 寄 半左衛門 (印)
               同   八 三 郎(印)
               同   源   七 判流
               同   六郎右衛門(印)
               同   三郎兵衛 (印)
  高野町          同   源五右衛門 判流
   御 役 所       同   庄右衛門  判流