[現代訳]

   恐れながら書付をもって願い上げ奉る事
一、望月宿は去年戌八月の大満水によって、このたびご見分下されたとおり、大破し、宿場としての務めができず、困窮しています。そこで堤防工事をお願いしましたが、川筋が悪いため、工事をしていただいても再び堤防が破壊される恐れがあります。そうなったら、また堤防工事をお願いするのは恐縮ですので、堤防工事に必要と思われる金を拝借させていただきたく存じます。その金で上之段という、川から離れた場所へ宿場を移したいと思います。ご許可いただければ今後水難にあうことはなくなると存じます。ご許可いただければありがたく存じます。