としまひすとりぃ
ひと×街 ひすとりぃ

様々なひとが暮らす街。
ひとりひとりの日々の暮らしからそれぞれの物語が紡がれ、街の歴史を織りなしていく…
そんな物語の軌跡を区民インタビュアーがたどります。


5 新旧コミュニティをつなぐ異文化交流の場

近年、「地域づくり」と「学び」の二本柱をあわせ持つ事業が目玉になりつつある。国際交流だ。豊島区は外国籍の方が多い地域だが、池袋(※8)はとくに多くの外国人が行き交い、日本語学校も目立つ。
「池袋っていろんな人が住んでるから、そういう人たちに来てもらいたくて、多様な文化の講座をしましょうっていうことになったの。日本語学校に行ける人はいいけど、就労で来て困ってる人がいるんですよね。だから、最初に日本語のあいさつを教える。『500円で3回来れます』っていうワンコインのサークルで、子どもも来てます。保育園にどうやって入ったらいいかわからない外国人がいたので、スタッフが一緒に役所に行ってあげたこともありますよ」

地域住民と交流できるイベントも人気だ。
「ネパール、ベトナム、韓国、中国……日本語がわからないいろんな国の大人に日本語を教える講座をやりながら、みんなで文化を共有しましょうっていうイベントもやっています。何年か前から、春の大明まつりにはいろんな国の人たちが来てくれるようになって、食べたことがない料理も出るようになりました。夏の花火大会にも外国からの子どもたちも来て一緒に花火したりして、異文化交流をしてます」

そうするうち、外国の人たちが、昔ながらの地域の祭に参加するまでになった。杉本さんの勧めで、町会に入った人もいるという。どのようにして、さまざまな人が地域社会に溶け込み、理解が広まっていったのだろうか。
「災害があった時に、町会に名前があると得ですよ、っていう説明をしました。それでお祭りの時、(外国の方が)町会の神輿を一緒にかつぐようになったんです。じつは数年前、ここが避難場所になったんですね。町会と防災訓練もしているので、備蓄やけが人を入れる部屋、救急車が入る場所とか、災害時の状況を話し合ったりしました。
それと、地域の人たちにあいさつ回りをするようになってからは、町会のお祭には私が顔を出して、寄付をしたり交流したりしてます。昔は北町会だけで盆踊りをやってたんですけど、今はこの辺の町会さんが手伝ってくれて、夏には(みらい館)大明で盆踊り大会をしてます」

町会には固い地盤があり、しきたりもある。そこで杉本さんは、みらい館大明がオープンしてから、地域の人たちの理解を得るために地道に声をかけ、あいさつをして親しんできた。それが、盆踊りや避難訓練などの重要な折に効果を発揮するのだ。今やみらい館大明は、外国人と町会という新旧のコミュニティをつなぐ、じつに池袋らしい場としても愛されている。

昭和52年度卒業生記念作品
※8 池袋という地域性 池袋は豊島区の中央部に位置し、JR線、川越街道、山手通り、要町通りに囲まれた地域であり、池袋駅や要町駅とも接している。池袋駅西口一帯の鎮守である池袋御嶽神社があり、昔から住んでいる人も多い一方で、新たに転入した人や海外出身者の割合が高いなど、新旧コミュニティが混在している。

平成20(2008)年4月から開始し、現在は「にほんごサークルコンニチハ!」という名称で日本語教室を開催。
詳細:「日本語教室」(豊島区ホームページ内)

盆踊り
花火大会
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