としまひすとりぃ
ひと×街 ひすとりぃ

様々なひとが暮らす街。
ひとりひとりの日々の暮らしからそれぞれの物語が紡がれ、街の歴史を織りなしていく…
そんな物語の軌跡を区民インタビュアーがたどります。


4 コロナ禍で本領発揮した包括的な支援

コロナ禍では、女性の失業や自死、DV被害が増加し、休校により子どもへのしわ寄せも目立った。同時に、外国人居住者が困窮・孤立するなど、社会的マイノリティがさらに困難な状況におちいった。女性への深刻な影響は、すでにあった問題が浮き彫りになった形だ。

WAKUWAKUでも新たに3つの事業を立ち上げたが、それまでの取り組み、普段の視点が活かされている。例えば、「としまフードサポートプロジェクト」(※7)の対象は多くがシングルマザーの家庭だ。
「そもそも、プレーパークで私が心を動かされておせっかいしてきた子の親は、全員シングルマザーです。(フードサポートは)2017年頃に中国ルーツのひとり親家庭に、フードロスの食品を宅配で送ったのが最初。パンや生ものなど宅配では送れないものも渡すために、ネットワークでつながっている区内の子ども食堂や無料学習支援の拠点にフードバンクから食材を搬入し、多くの家庭にピックアップしに来てもらう取り組みをコロナの2年前から先駆的にやっていました(※8)。多くの団体と連携して実施していましたので、コロナになってからはそのノウハウも活かしながら毎月、多くの団体と支援を実施していますね(※9)」

※7 としまフードサポートプロジェクト:新型コロナウイルス感染症の影響により小中学校の休校に伴い給食も休止となる中、食のサポートを行うためTOSHIMA TABLE(NPO法人ワーカーズコープ、目白聖公会、NPO法人豊島WAKUWAKUネットワーク)が主催で、豊島区内在住で就学援助を受けている家庭を対象に米やレトルト等の食品を無料で提供した。
関連資料:R020309プレスリリースフードドライブ事業について(R020410環境・清掃対策調査特別委員会資料)

※8 関連資料:H300727プレスリリース

※9 参考資料:「コロナに負けるな!としま」医療・福祉支援寄附金について(R020525・R020715・R020916議員協議会資料、R020708子ども文教委員会資料)

サポートを受ける人とはメールでもつながる。すると、コロナ禍で失業したという声がかなり増えたので、食料支援で渡す余剰食品などを事務所で袋詰めするアルバイトを頼むようになった。
「シングルのお母さんは仕事を辞めたら社会との接点がなくなるので、孤立します。今では7、8人が作業してくれています。そこでの会話から、今は『SDGsカフェ』っていうママたちのおしゃべり交流会・勉強会を月に1回やってます。みなさん本当に力があるんだけども、子育ての間の時間を切り売りして働いてきて、へとへとになってた。その方たち同士、つながり仲間ができると、ひとり親家庭のニーズに合わせた支援を創ってくれると思います」



コロナ禍でとくに打撃を受けた外国ルーツの子ども対象の「WAKUWAKU×ルーツ(ワクワク・クロス・ルーツ)」は、無料学習支援のボランティア学生や、そこに通っていた子どもが成長して場を創る側に立つなど、うれしい動きもあった。
「外国ルーツの子どもの中には、コロナで休校だった2か月間、日本語に触れる機会が全くなかった子どももいます。コロナ禍だからこそ生まれたオンラインの居場所は、今でも毎週続いています」

もうひとつの「地域がつながるプロジェクト」は、孤立しがちな家庭の子どもを、同じ地域に暮らす「おせっかいさん」と称した地域の方が訪問して知っている関係になるという取り組み。「おせっかい」な地域ネットワークがあるWAKUWAKUに対して、豊島区が事業として委託することで、早期に孤立・虐待を予防したいと考えている。
「子どもが40度の熱が出たっていう方がいたんです。シングルのお母さんで、子どもは外国ルーツで障がいがあり、頼れる人が周りにいない。発熱外来の手続きをサポートして、欲しい食べ物を届けました。地域の「おせっかいさん」に、『何々さんがコロナになったから、電話して、何か欲しいものがあると言われたら対応してもらえますか』っていう形でご近所での助け合いにつながりましたね」

未曾有のパンデミックに行政・国が右往左往するなか、地域にはりめぐらされたネットワークを駆使して小さな声を拾い集めてきた栗林さんたちの本領発揮であった。

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