トーマス・W・ブラキストン

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ブラキストン採集の石斧(市立函館博物館蔵)

 函館には文久3(1863)年から商事会社、製氷、製材等の事業を行っていたイギリス人トーマス・ライト・ブラキストンが来住していた。彼の名を冠したブラキストン・ラインは有名であるが、アイヌ民族や石器時代の遺跡調査の案内役をしていたことは意外に知られていない。ミルンモースが函館で貝塚の発掘ができたのも、後記するようにヒッチコックが函館で収集品を見ることができたのも、ブラキストンの案内とアドバイスがあったからで、彼自身アイヌ民族や貝塚、竪穴住居址についても博識であった。彼が谷地頭で発掘した大形の磨製石斧はミルンの報告書に掲載されているが、今日でも珍しい石斧で、開拓使函館支庁仮博物場の時に寄贈され、現在も市立函館博物館に秘蔵されている。