目次
/
通説編第1巻 第3編 古代・中世・近世
/
第3章 幕府直轄下の箱館
/
第5節 幕府の生産・流通統制
箱館商人の成長
447 / 706ページ
かくして
箱館
は、幕府直捌を大きな契機にして、
蝦夷地
必需物資ならびに
蝦夷地
産物の中心的な集散地として急激にクローズ・アップされ、その移出入商品も従来の
昆布
中心型から鰊〆粕、数の子、
塩鮭
、干鱈、
塩鱈
、
煎海鼠
、
干鮑
、魚油、海草、鯣など、
昆布
をふくめた海産物一般へと豊富になった。特に松前藩時代のころは、
箱館
において売捌く
蝦夷地
産物に対し、福山と
箱館
とで二重の
口銭
を徴してこれを抑圧したが、直轄以後は全くこれを廃して自由となったので、
箱館
商人も急速に成長をみた。その中でも代表的な者は
高田屋嘉兵衛
であった。