表18 最深積雪・降雪量と根雪期間 |
観測地点 | 最深積雪 年平均値 cm | 年間降雪 量平年値 cm | 平年根雪期間 | 最深積雪 | 日降雪量の 最大値 | ||||||
初日 月日 | 終日 月日 | 日数 | 最大値 | 最小値 | |||||||
cm | 年月日 | cm | 年月日 | cm | 年月日 | ||||||
青 森 | 112 | 623 | 12/11 | 3/28 | 108 | 209 | 1945/2/21 | 42 | 1949/ 3/ 2 | 65 | 1967/12/27 |
深 浦 | 42 | 192 | 12/24 | 3/10 | 77 | 91 | 1984/2/13 | 12 | 1948/11/19 | 36 | 1964/ 2/23 |
弘 前 | 86 | 425 | 12/13 | 3/25 | 103 | 144 | 1945/2/ 4 | 28 | 1932/ 1/28 | 40 | 1982/12/ 1 |
五所川原 | 109 | 420 | 12/14 | 3/26 | 103 | 212 | 1945/2/28 | 25 | 1930/ 2/12 | 60 | 1974/ 1/26 |
碇ヶ関 | 88 | 512 | 12/11 | 3/28 | 108 | 148 | 1939/2/10 | 26 | 1973/ 3/ 7 | 63 | 1968/ 2/12 |
今 別 | 75 | 368 | 12/16 | 3/20 | 95 | 150 | 1984/2/29 | 21 | 1972/12/22 | 50 | 1968/ 1/21 |
黒 石 | 85 | 466 | 12/12 | 3/27 | 106 | 159 | 1945/2/21 | 26 | 1949/ 1/27 | 45 | 1954/ 1/22 |
鯵ヶ沢 | 72 | 240 | 12/17 | 3/23 | 97 | 200 | 1968/2/14 | 34 | 1979/ 1/31 | 48 | 1981/12/20 |
蟹 田 | 80 | 410 | 12/16 | 3/22 | 98 | 245 | 1936/2/28 | 34 | 1932/ 2/10 | 34 | 1932/ 2/10 |
1. | 統計年数 | 年最深積雪 | 1964~1985 |
最深積雪の最大・最小値 | 1927~1995 | ||
年間降雪量 | 1953~1985 | ||
日降雪量最大値 | 1953~1995 | ||
根雪期間 | 1956~1985 | ||
2. | 積雪・降雪量は9時1回の観測値 | ||
3. | 東北地方の積雪と降雪(仙台管区気象台より) |
地域分布でみると西海岸の深浦四二センチメートルを除き、各地とも五〇センチメートル以上で、青森・五所川原が一〇〇センチメートルを超え平地で最も積雪が深い地帯になる。西海岸で四〇~七〇センチメートル、弘前、中・南津軽地域で八〇~九〇センチメートルとやや多い。山地の酸ヶ湯(標高九二〇メートル)では統計年一九七六~一九九〇年の平均値が三九五センチメートル、期間の最大値が六二〇センチメートル。岳(だけ)(標高四四〇メートル)では三五〇センチメートルがある。これらは平地と同じ統計年で求めると、これより深い積雪が考えられる。八甲田山系周辺では雪深く、かなりの面積で五メートル以上を占めるといわれる。
最深積雪が平地で二〇〇センチメートルを超えるのは多雪地でもまれで、津軽地域では約一〇〇年の再現期間になる。昭和二十年(一九四五、太平洋戦争の終結年で大冷夏でもあった。)は、青森や五所川原・三厩(みんまや)・東目屋(ひがしめや)で最深積雪が二〇〇センチメートルを超す豪雪・寒冬年であった。この年、弘前一四四センチメートル、黒石一五五センチメートルで統計期間中の最大値になっている。この年の積雪分布は、平年積雪・降雪量分布によく似ている。
積雪が最も多くなる時期は、平地で二月中旬、山間部では二月下旬から三月上旬が中心になっている。平均の根雪初終期間をみると、津軽地域の平地平均は、初日が十二月上旬末から中旬、終日は三月下旬で約一〇〇日期間になる。細かくみると海岸では十日くらい短く、特に深浦では約八〇日と最短期間になっている。青森市における最長根雪期間は、昭和五十九年(一九八四)十一月二十五日~四月十八日の一四六日。また、最短は昭和二十四年(一九四九)一月四日~二月三日の三一日がある。山地の酸ヶ湯では、十一月下旬から五月中旬までの根雪期間で約一六〇日。一五ヵ年統計期間で最も長い年の初日が十一月中旬、終日が五月下旬であった。最深積雪の多少の幅は、津軽地域を平均して、平年の最深積雪に比べ、多雪年で二倍前後、少雪年は三分の一から半分ぐらいで変動している。
多雪地帯の雪害には、降雪・積雪による交通障害、吹雪、雪崩、着雪、融雪・洪水、雪の重さによるものなどがある。そのうち、津軽地域で発生した融雪・洪水による災害例がある。寒冬・多雪年であった昭和二十年(一九四五)三月二十三日の真夜中の一時ごろ、西津軽郡赤石村(現鰺ヶ沢町)赤石川上流域の大然(おおじかり)集落で、日本海低気圧による雨(津軽南部地域で四〇~五〇ミリ)と雪解け水により雪崩が発生。その後、高さ約三メートルに達する土砂まじりの水流のため、家屋二〇戸、非住家二八棟、水田一五〇町歩の流失・埋没被害が発生した。この時八八名の人命が瞬時に失われた。土石流の規模もさることながら、寒い深夜であったため生存者皆無の大惨事となった。また、この日に中村川・岩木川流域でも水田埋没二五〇町歩などの融雪・洪水害が発生している。