また大浦城跡(写真219)も、二ノ丸曲輪で掘立柱建物跡と思われる柱穴や、竪穴建物跡と思われる遺構などが検出された。出土遺物では中国青磁破片一〇点(碗・皿)や中国染付細片一〇点(碗・皿と思われる)、国産品では瀬戸・美濃陶磁器破片一六点(碗・皿)、越前破片三点(甕(かめ)・擂(すり)鉢)、唐津破片八点(皿・碗・甕)といった陶磁器をはじめ、鉄製品では武器である鉄鏃や刀の破片、釘、木製品でも建築材か容器と思われる遺物が出土している。
写真219 大浦城跡
このように近年の発掘調査により、文献史料からだけではうかがい知ることのできなかった、具体的な当時の生活のようすがしだいにみえはじめてきているのである。