(二)対外危機意識の表出

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 帝政ロシアの南下に代表される外圧が具体化し、蝦夷地警備が恒常化する寛政期から文化期は、蝦夷地の動向が直接に津軽領に影響を与えるとともに、幕藩制国家の危機が直接に藩体制維持への危機意識につながっていった。そして、蝦夷地警備が続いていく以上、この認識も継続されるのであり、そこには藩や藩士にもさまざまな行為が見いだされる。以下、代表的な二つの事例によって、蝦夷地警備がいかに藩政の重要な軍役(ぐんやく)であり、そして藩士の危機意識をも増長させたかを、みていくこととする。