稽古館の文化事業

593 ~ 594 / 767ページ
稽古館は文化活動として稽古館蔵版の奥付を有する書物を翻刻出版している。世に稽古館本という。翻刻は稽古館内に「彫刻方」があって版下を刻んだ。教科書としては以下のものが翻刻された。「孝経」大本一冊(寛政七年六月)、「白文尚書」大本二冊(寛政八年十一月)、「論語」(寛政九年)、「孟子半紙本三冊(文化七年六月)、「礼記」(文化八年十一月)、「臣軌」一冊(文化九年三月)、「和漢年代歌」(文化十年三月 半紙本一冊)、「易経」大本一冊(文化十年五月)、「中庸」(文化十一年春)、「孟子半紙本二冊(文政二年七月)、「三字経半紙本一冊(文政五年十月)。刊行年を欠くが「帝範」大本一冊、「唐詩選半紙本二冊、「皇朝史略半紙本六冊、「続皇朝史略半紙本二冊も稽古館本である。また教科書以外の稽古館本として、津軽家と深くかかわりのある山鹿素行の「中朝事実」(文政元年六月)、「聖教要録」(同上)と藩儒山崎蘭洲の「蘭洲先生遺稿」五冊(文化二年七月)がある。

図165.稽古館本
目録を見る 精細画像で見る