市内各小学校を単位とした市青年団の分団づくりが行われ、各分団を一つにまとめた弘前市青年団の結成式が八年(一九一九)十一月二日、弘前公園四の廓において行われた。その日午前九時数発の花火を合図に、公園東口付近に集合していた各分団は分団長の検閲を受けたあと、その引率のもと会場の四の廓に入場して所定の場所に整列した。市長石郷岡文吉の挙式の辞があってのち団員を査閲、次いで全員が君が代斉唱、団長(市長)による教育勅語と戊申詔書の奉読があり、県知事道岡秀彦の告辞、来賓を代表して代議士伊東重の式辞があった。これに対して、青年団総代として朝陽小学校分団の佐藤金蔵が答辞を述べた。以上で式典は終わったが、来賓は各界の名士六〇人を超え、参観の市民は会場の周囲を埋めた。
この日参加した青年団員は六八三人、団長には市長、副団長には市助役を戴くというもので、青年たちの自主的な運営になる後の青年団とは、およそ性格を異にした官製の青年団であった。