冬は、また、スキーの活躍から目が離せない。王者東奥義塾は、昭和三十三年以来、平成に入ってからも総合全国優勝を重ね、こうした中から、平成四年の冬季オリンピック・アルベールヴィル大会には、佐々木一成、三ヶ田礼一、木村公宣、石岡拓也の四OBがそろって出場するという快挙となったのである。
男子では、このほかに、弘前実業高校の相撲・体操、弘前工業高校のバレーボール、東奥義塾高校のバドミントン・剣道、弘前東工業高校のボクシング、弘前南高校の空手などがたびたび全国大会に進出し、弘前の名を高からしめている。女子は、全国的な活躍は少ないものの、県下においては常に明朗旗を争う聖愛高校や、新体操で破竹の一九連勝を遂げた弘前中央高校、また、柴田女子高校のバスケットボールやソフトボールなどが、県内に敵なしの快進撃を続けているのは頼もしい限りである。
一方、文化部については、弘前中央高校が平成四年から五年連続で県高総文優秀賞を受賞し、七年の『うるわしのカレーライス』は、国立劇場における全国大会で公演され、その様子がNHKの衛星放送で放映されるという快挙をもたらした。また、弘前南高校では、平成七年の全日本アンサンブルコンテスト高校の部で金賞を受賞し、ひさびさに吹奏楽の美しいハーモニーを響かせて健在ぶりをアピールした。
伝統が息づく中で、平成の世の新たな試みもなされている。ファッション甲子園と通称される全国高等学校ファッションデザイン選手権大会がそれであり、平成十三年から運動公園内にある県立武道館で開催されることになった。年を経るごとにその注目度は増してきており、弘前市が服飾デザイナーを志す高校生たちのメッカとして目指されていることは、この地に新たな歴史をつけ加えるものであろう。
写真206 『東奥日報』平成12年8月7日夕刊