7人制ラグビーの将来に備えて、日本協会は平成5年(1993)に第1回のジャパンセブンズを秩父宮で行い、第2回を熊谷で、第3回大会からは再び秩父宮に会場を移し、国内大会から国際大会へと舵を切った。外国からの招待チームはNZ、フィジー、ウエールズ、アメリカ、カナダ、香港、韓国、中華台北、マレーシアの9ヵ国に及び熱戦を展開した。とくに第4回から第6回大会まで、7人制ラグビーの最強国NZとフィジーの決勝対決が話題を呼び、第二の香港セブンズに発展する期待をもたせた。第10回大会ではエキシビションゲームとして女子の試合、聴覚障害者の試合[11回大会でも開催]も行われている。
前述のIRBによるワールドセブンズシリーズに日本も組み込まれ、7人制ラグビー国際スケジュールが過密化したことで、ジャパンセブンズは国内大会へ後退せざるをえなかった。平成15年(2003)の第11回大会を最後に、この大会はYCACに継承されることになった。日本協会はセブンズの高校大会、大学大会などの育成・強化に力を注いでおり、近い将来、セブンズの日本選手権が行われる日が来ると思われるので期待したい。
平成23年(2011)1月17日、日本協会は同年4月16、17日に秩父宮ラグビー場において、「東京セブンズ2011−国際ラグビーセブンズトーナメント」の開催を発表した。日本、豪州、NZ、フィジー、サモア、トンガ、フランス、南アフリカ、アメリカ、韓国など計12カ国の参加を予定している。私は7人制ラグビーの強化と活性化のためこの朗報を喜んでいる。
この原稿執筆中の平成23年3月11日に東日本大震災が発生した。多数の死傷者を出した悲惨な津波被害に加えて、福島原発事故で事態は悪化し、復旧が長期化する見込みとなった。日本協会は止むなく「東京セブンズ2011」の中止を発表した。被災者と被災地の一日も早い復興を願うや切である。
ジャパンセブンズ選手権決勝 | |||||||||
回数 | 試合日 | カップ決勝 | スコア | プレート決勝 | スコア | グラウンド | |||
第1回 | 平成5年(1993)3.21 | ○明大 | 31-5 | ●本田技研 | ○リコー | 34-10 | ●マツダ | 秩父宮 | |
第2回 | 平成6年(1994)4.17 | ○サントリー | 49-7 | ●ワールド | プレート戦なし | 熊谷 | |||
第3回 | 平成7年(1995)4.16 | ○フィジー | 47-26 | ●NZ | ○中華台北 | 33-28 | ●三洋電機 | 秩父宮 | |
第4回 | 平成8年(1996)4.14 | ○フィジー | 61-5 | ●NZ | ○豪州 | 33-19 | ●韓国 | 秩父宮 | |
第5回 | 平成9年(1997)4.13 | 国際 | ○フィジー | 54-19 | ●NZ | ○香港 | 40-17 | ●ジンバブエ | 秩父宮 |
平成9年(1997)4.13 | 国内 | ○東芝府中 | 54-19 | ●NEC | ○三洋 | 33-24 | ●伊勢丹 | 秩父宮 | |
第6回 | 平成10年(1998)4.19 | 国際 | ○NZ | 24-7 | ●フィジー | ○香港 | 31-5 | ●世界選抜 | 秩父宮 |
平成10年(1998)4.19 | 国内 | ○ケンブリッジ大 | 33-7 | ●神戸製鋼 | ○東芝府中 | 26-22 | ●トヨタ | 秩父宮 | |
[国内大会にオ大、ケ大を招待] | |||||||||
第7回 | 平成11年(1999)4.11 | 国際 | ○NZ | 12-7 | ●フィジー | ○カナダ | 24-0 | ●アルゼンチン | 秩父宮 |
平成11年(1999)4.11 | 国内 | ○神戸製鋼 | 45-0 | ●三洋 | ○早大 | 19-12 | ●東芝府中 | 秩父宮 | |
第8回 | 平成12年(2000)4.30 | ○サントリー | 40-14 | ●ヤマハ | ○三洋 | 33-14 | ●同大 | 秩父宮 | |
第9回 | 平成13年(2001)4.22 | ○サントリー | 41-19 | ●ワールド | ○サニックス | 64-19 | ●同大 | 秩父宮 | |
第10回 | 平成14年(2002)4.14 | 社会人 | ○トヨタ自動車 | 28-24 | ●サントリー | 秩父宮 | |||
平成14年(2002)4.14 | 大学 | ○関東学大 | 24-19 | ●法大 | 秩父宮 | ||||
平成14年(2002)4.14 | 高校 | ○中国選抜 | 17-12 | ●北信越選抜 | 秩父宮 | ||||
平成14年(2002)4.14 | 女子 | ○日本代表 | 15-0 | ●日体大女子 | 秩父宮 | ||||
第11回 | 平成15年(2003)4.6 | ○トヨタ自動車 | 35-24 | ●サニックス | ○早大 | 28-26 | ●クボタ | 秩父宮 | |
[第11回大会で中断] |