海會寺井は一に金龍水とも稱せられ、【所在】南旅籠町東三丁海會寺に屬し、甲斐町東一丁開口神社表門前字山口筋の角同丁二十番地辻本嘉右衞門氏飾窓の下に現存してゐる。【規模】直徑約六尺、圓形をなし、平水地面より水面迄一丈一尺九寸、水面より井底迄一丈を有してゐる。【由緒】井名は現在南宗寺境内にある海會寺が此附近にあつた頃、同寺の井として掘られた爲に稱せられてゐるのである。(堺鑑)【金龍水の傳説】一名金龍水は開山乾峯和尚旱魃に際し龍神に祈り、老人に化生した鬼面龍神と法筵に逢ひ、其教に從つて鵜の羽を地に布きて露の多く浮んだ所を掘つて得たからと云はれてゐる。(堺鑑)德川時代此井水は豆腐製造に適し同業者多く之を用ひたといふ。(全堺詳志)