(七月)廿五日 シコツ越とてイシカリ川を船にて登る道あり。此道を出立す。トイシカリといふ所にて船中に泊す。
廿六日 未明に出船。イザリ川といふ所にて日もくれ、又々船中に泊す。二夜とも大小便は上陸して山中へ通ふ。其たび/\に蚤の如き虫、股、膝頭の下、足の甲まで一面真黒にたかり、むさき事かぎりなし。山中には熊、兔など沢山居るよしなり。
廿七日 夕方シコツに着船す。
廿八日 同所出立。船路にて東蝦夷地ユウブツに着船。一日逗留。
廿六日 未明に出船。イザリ川といふ所にて日もくれ、又々船中に泊す。二夜とも大小便は上陸して山中へ通ふ。其たび/\に蚤の如き虫、股、膝頭の下、足の甲まで一面真黒にたかり、むさき事かぎりなし。山中には熊、兔など沢山居るよしなり。
廿七日 夕方シコツに着船す。
廿八日 同所出立。船路にて東蝦夷地ユウブツに着船。一日逗留。
一行は、六年前の串原正峯らとほぼ同じルートを通っているが、宿泊はいずれも船中で、トイシカリ(ツイシカリ)、イザリ川となっている。まだこのシコツ越え道には、宿泊施設はととのっていなかったようである。