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寺史の編纂

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 教団の開教史と並んで編纂・発刊されたのが、一寺を単位とする寺史であり、近年は開基・創設から一〇〇年を記念とするものが多い。
 本格的な寺史で最初のものは、日正寺(日蓮正宗、北区北三六西四)の『日正寺五十年史』(昭44)である。本書には、住職の体験を交えた戦後仏教史的な記述に特徴があった。
 最初の百年史は、琴似屯田兵村と共に創設をみた日登寺(日蓮宗、西区山の手二―一)の『日登寺百年史』(昭50)であった。昭和六十年代に入り開基一〇〇年を迎えるところが多くなり、安楽寺(本願寺派厚別区厚別中央三―三)の『アンペラの扉』(昭60)、智徳寺(大谷派、厚別区厚別中央三―四)の『朝焼』(昭62)、龍雲寺(浄土宗、北区篠路五―一〇)の『龍雲寺史』(昭63)が、それぞれ開基・開教百年記念として刊行されていた。『朝焼』は史料、写真がよく掲載され、智徳寺が取り組んできた社会教育的な種々の教化活動も記述され、貴重な記録ともなっている。
 真宗高田派専修寺北海道別院(豊平区平岡三一三)は、もと南四条東四丁目に所在したが、建物外部の老朽化により開教百年記念事業として別院新築を決め、平成四年十月に現在地へ移転していた。十月四日に慶讃法要、五日に仏教婦人会による開教百年記念壇信徒物故者追悼法会が行われ、そして『専修寺北海道別院百年史』(平5)も刊行されていた。
 近年の百年史では、福住寺(本願寺派、豊平区福住一―一)が仏教婦人会の活動をまとめ、関係する講をとりあげている点に特徴がある『他力の風にふかれて』(平11)、宝流寺(本願寺派、南区川沿九―二)が『地元の人びとに支えられて』(平13)を刊行している。他には、妙覚寺(日蓮宗、中央区円山西町二)が、『妙覚寺三十年史』(昭61)を出している。