箱館の請負人

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 こうして箱館に根拠を置く場所請負人も、その後、しだいに頭角をあらわし、天明6(1786)年の記録には次のように見られている。
 
ミツイシ
シブチヤリ
シツナイ
 場所  請負人 倉部屋太兵衛
ホロベツ 場所  請負人 箱館村与左衛門
ウス 場所  請負人 浜田屋兵右衛門
ヱトモ
アプタ
シツカリ
 場所  請負人 笹屋治兵衛
モナシベ 場所  請負人 江口屋伊右衛門
カヤベ 場所  請負人 角屋太郎右衛門
ヲサツベ
シリキシナイ
 場所  請負人 白鳥屋新十郎
(『蝦夷草紙・別録』)

 
 このように箱館は、後背地帯である六箇場所をはじめとし、遠く東蝦夷地の場所場所まで箱館商人が掌握することによって、おのずから産物は箱館港に集荷され、一段と流通経済の伸長を示し、いよいよ重要な商港としての役割をもって発展につながってくることになる。