箱館回航

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 寛政8年手船辰悦丸(1500石)を新造して自ら船主となり、兄弟力を合わせて乗組み、兵庫で酒、塩、木綿を積み、更に秋田辺で米を買積みして箱館港に入津したのが、嘉兵衛が箱館に来たそもそもの始めであった。かくて嘉兵衛は箱館の回船宿白鳥勝右衛門(松浦武四郎蝦夷日誌』に白鳥新十郎とあり)方に止宿し、積荷を売捌き蝦夷産物を交易して、今後毎年西国から北国へ上下致すべきことを約して帰り、翌9年も同様に往復している。