目次
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通説編第1巻 第3編 古代・中世・近世
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第3章 幕府直轄下の箱館
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第6節 高田屋嘉兵衛の勃興
箱館回航
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寛政8年手船
辰悦丸
(1500石)を新造して自ら船主となり、兄弟力を合わせて乗組み、
兵庫
で酒、塩、木綿を積み、更に秋田辺で米を買積みして
箱館
港に入津したのが、嘉兵衛が
箱館
に来たそもそもの始めであった。かくて嘉兵衛は
箱館
の回
船宿
白鳥勝右衛門
(
松浦武四郎
『
蝦夷日誌
』に
白鳥新十郎
とあり)方に止宿し、積荷を売捌き
蝦夷
産物を交易して、今後毎年西国から北国へ上下致すべきことを約して帰り、翌9年も同様に往復している。