問屋頭取問屋小宿共 |
其方共儀、家業筋儀旧来の為来(しきたり)に昵(なじみ)、不取締りの儀もこれ有る哉に聞え候処、此度は御出格の御仁恵に別段沙汰に及ばず候得共、其向後等閑の儀これなき様新規取締役を申付候間、向後夫改正の義もこれ有るべく、畢竟正路に相務め、従来の家業、永続いたさば、其身の為に候間、取締致す分共腹臓無く申談し、差図を請け、邪に一己の利益をはからざる様心掛べく、就い而は銘々に於いても彼是世話にも相成るべく候、年々受用口銭惣高の百分一取締役え差出し申すべく、右渡方は年々七月沖之口御番所において相渡し候様致すべく候。 |
辰十月七日 (『箱館問屋儀定帳』) |
しかし、急に取締りを厳重にしては、船手の者が困るとみたのか、安政4年3月には、東蝦夷地産物の場所値段は、問屋入札値段が届出られれば、それより1割安の口銭にするなどの政策も行われている。