触 書
年々春になり候得ば野山え火ヲ付候もの有レ之、不埓の事ニ
候。野火付候義は草生よろしからざる原野を焼立、冬分御
厩御用の秣をはじめ、御家中の繋馬飼料の手当ニ候処、差
支無レ之猥ニ野火付候義難二相済一事ニて候。萬一風筋寄、
火元広がり、村々難儀ニおよび候義有レ之候ても、鯡漁時最
中時節ニ候間、野火附候百性共は右漁事ニ取懸り、村方ニ
居残り候老人又は女等ニては迚も(トテモ)防方行届申間敷候。殊ニ
より村方及二焼亡一候義も可レ有レ之事ニ候。他郷ニては野火
より百性家も焼失いたし義も有レ之候故、御代官御支配所
は猶更、其外迚も野火付候もの見当候得ばたとへ村近辺ニ
無之候ても相当り(ママ)の御咎相成候儀ニ候間、以来野山見廻り
次第召捕り、吟味の上急度可レ被レ及二御沙汰一候。尤前書の
通草生よろしからざる場所え付候義は、冬分飼葉の手当ニ
候間不レ得レ止候得共、是以(ママ)風筋ニより村々近辺より野火付
候義無用可レ致候。
右の通今般被二仰出一候間、向々え不レ洩様可レ被二相触一候。
三 月
右の通被二仰出一候間此段相触候。
四月四日 在 方 掛 り
戌三月 至来
亀田村より一本木 千代田郷 大野村 文月村 本郷
一ノ渡村 峠下村 藤山郷 七重村 大川村 赤川村
上山村 鍛次村 上、下湯川村 志苔村 銭亀澤村
石崎村迄
一 御用状壱封 赤川村(御用向)役人中 在 方 懸
右の通上山村継送り申候。以上
四月十一日
覚
一 馬八疋 上山村 口取弐人 馬五疋 鍛次村
右は明廿三日朝五ツ時当所え無二間違一為二相詰一候様取斗
らひ可レ給候。以上
四月廿二日 箱館当番
名 主 所
上山村
名主中
鍛次村
右の通当所并上山村え継送り
覚
一 上山村寅助娘三十、右人娘十壱、亀田村菊松娘十五、
〆三人
右のもの共市中乞食いたし居候段取調候処、其御村人別の
趣申出候間、態人足差添送り遣し候間、以来当処え相越し
不レ申様御申付可レ被レ成候。以上
四月廿一日 町 役 所
亀田村より
上山村迄
右名主中
一 馬五疋(五之内) 石(三)五郎右の通当廿三日箱館町役所差送申候
彦(壱) 七
趣、人馬帳(壱)ニ是ヲ写(置欠カ)しべく(き)もの也。
四月廿三日
覚
一 御米五俵 但し四斗弐升二合五勺廻り
鍛次村
六 郎
右去八月拝借米被二仰付一、当四月延(迄カ)長崎御廻米代上納の義一
昨日長崎役人中より当方御奉行所え御掛合有レ之候間、当月
廿八日迄の内、日限無二間違一上納可レ致候。若茅部辺え参、
居合不レ申候ハヽ飛脚差立呼寄せ、早々上納可レ致候。
右の通御用席より厳敷被二仰付一候間、此段申達候。以上
四月廿六日
鍛次村 在 方 懸
名主
中
年寄
一 菊池(七重村)遠江殿当番下代急ギ御用向御用向(ママ)急ギ申越候間、
無レ滞継立可レ被レ申候。以上
四月廿七日
町 役 所
亀田村より七重村迄 名主中
右の通廿七日夕方参、則廿八日上山村え継送り申候。以上
一 村畑儀は稗廿七日平蔵并彦七先立種まき至(ママ)し候。尤
人数の儀は別帳に相記し申置候。
四月廿七日
一 馬拾疋 右は御順見様御下向ニ付、当年ハ助人馬差出
し可レ申旨町役所より態人参申達し候間、右の通六三郎、
長左衛門、平蔵馬差出し申候。以上
四月廿九日
一 椎茸御掛岸(峯)尾勘十郎様、御小役御足軽先懸り石丸柳平
様え金納至し候椎茸御代金の義、御達渡し無レ之候間、再
上納至し(す)べく(き)様申達し候ニ付、御廻りの由にて上山村よ
り下湯川村御通行人足壱人差出し申候。以上
四月廿八日
一 此度御順見様御下向ニ付、諸道具并戸障子、畳、襖等
ニ至迄御借上被二仰出一候条、其筋より申達候ハヽ無二違
背一御用相達候様いたし候。尤御用済の上損等有レ之候ハ
ヽ無二遠慮一可二申立一旨不レ洩様可二相触一もの也。
戌四月
箱館
御 役 所
右の通被二仰出一候間、此段申達候。以上
四月
在 方 懸
亀田村より鍛次村、湯川村、志苔村、銭瓶(亀)沢村、石崎村
右名主、年寄中