昆布検査

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 明治三五年の水産組合発足の頃から、組合員の中から製品検査員を選任して自主検査をおこなった。検査委員の権限は大きいもので、責任は重かった。
 臼尻漁業組合では明治三九年、昆布のほかに塩鱈煎海鼠などを検査品目に加え、検査員を増員した。
 当時の検査員は東出源蔵・魚住要作・村井己代松と記している。(臼尻沿革誌)
 明治四〇年代には漁業法の制定により、多くの組合が設立され、昆布検査についても管内、郡下に、その内容が示されるようになる。
 
  昆布検査規定  (明治四四年)
  △茅部山越水産組合
     △昆布は晴天三日以上乾燥の上結束すべし
      結束は同種類の昆布を以てすべし但折昆布は他種類の昆布を以てすることを得
     △長切昆布及び棹前潮干拾ひ昆布は以下定むる処の尺度に據り切断して結束すべし
      手繰昆布は切断せずして規定の尺度に準じ折込結束すべし
      土砂付着のもの又は枯葉及び石着より五寸以上を切り取らざるもの若くは雨水に曝らし他品を結束中に混入すべからず
     △手繰昆布に限り石着を切棄るに及ばず
     △元揃長切は中継を入るることを得ず
        但し下等品は此限にあらず
     △拾ひ昆布の結束中に長さ一尺以下のものを挿入することを得ず
      但し拾ひ昆布の名称を附するものは十一月より五月の拾取昆布に限る
     △他種昆布は結束中に混入すべからず
     △結束方法及重量等は左表に據る
  種類 産地 等級 元幅 結目(長三尺以上三尺五寸以内 重量二〆匁)
  元揃 古部 上 五二枚 四所
   〃  〃 中 七二枚 〃
   〃 木直 上 五五枚 〃
   〃  〃 中 七五枚 〃
   〃 尾札部上 五〇枚 〃
   〃  〃 中 七〇枚 〃
   〃 川汲 上 五〇枚 〃
   〃  〃 中 七〇枚 〃
   〃 板木 上 五〇枚 〃
   〃  〃 中 七〇枚 〃
   〃 臼尻 上 五五枚 〃
   〃  〃 中 七五枚 〃
   〃 熊 上 五五枚 〃
   〃  〃 中 七五枚 〃
   〃 鹿部 上 五五枚 〃
   〃  〃 中 七五枚 〃
   〃 砂原 上 七五枚 〃
   〃  〃   百 枚 〃
 
  種類     元幅 上結 下結 重量
  長切昆布 上 四二寸 七  六 八貫匁
       中 三八寸 六  五 八貫匁
       下 三 尺 五  四 五貫匁
  棹前潮干昆布 三 尺 五  四 四貫匁
  手繰昆布   四 尺 七  六 八貫匁
  拾ひ昆布   三 尺 三    四貫匁
  折昆布    一二寸 三    一貫匁
  花折昆布   一四寸 三    五百匁
                  (函館日日新聞 明治四四・七・一〇)