[水産会の合併へ]

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 昭和九年一〇月一一日午前一一時より、鹿部漁業組合事務所二階会議室で協議会を開催。茅部山越水産会加藤主事の説明をうけ、漁業組合聯合会の組織、水産会合併問題促進を協議して、その解決と進展について措置をとることとなった。
 出席者は
  尾札部漁業組合長  渋田武雄
  臼尻 〃 〃    二本柳徳二
  鹿部 〃      宮内三郎
  砂原 〃      尾関茂吉 平館林太郎 松原一麿
  支庁水産係主任   村井 技手
  茅部山越水産会   加藤 主事
であった。
 この会議において茅部郡下、尾札部臼尻・鹿部・砂原の四か村漁業組合が、渡島支庁水産協会のすすめに賛同して、漁業者の採取する昆布を合同して販売するという販売統制を実施することを協議した。いわゆる共販体制の誕生である。支庁水産協会の指導が大きな力となり、ここに日産との販売の提携が成立した。
 これは、従来までの長い商慣行をつづけてきた沿岸の漁業経済にとって大きな異変をもたらし、函館市場と大阪昆布市場に一大センセーションをまき起こした。こうして昭和一〇年をむかえて、茅部山越郡水産会は二月四日から六日まで森町の同会事務所の楼上で総会を開催して渡島各郡水産会にさきがけて水産会の合併を可決した。
 このときの議事案件は次のとおりであった。
  一、第一一回総代会以降における重要事務報告の件
  一、水産会合併に関する件
  一、財産処分の件
  一、水産会合併による権利義務の件
  一、新設水産会経費支出の件
  一、記念品贈與及慰労金支出の件
  一、昭和八年度収支決算及事業報告の件
  一、同九年収支予算更正の件
  一、同一〇年度暫定予算の件
  一、漁業組合聯合会組織に関する件
茅部山越水産会総会の出席者
 本会側   会       長  吉 田 定 助
       副   会   長  磯 野 太三郎
           〃      平 野 幸三郎
       評   議   員  落 合 幸次郎
           〃      川 村 善八郎
       主       事  加 藤 米次郎
       書       記  池 田 義 良
                  敦 賀 正 利
 議 員   尾 札 部 村    長谷川 忠次郎 藤 本 種 八
       臼   尻   村  津 田 辨 吉
       鹿   部   村  工 藤 啓一郎
       砂   原   村  小 川 利兵衛 川 浦   盛
       森       町  川 村 常 作 高 橋 林太郎 大 野 重太郎
       落   部   村  佐 藤 丹次郎
       八   雲   町  坂 田 竹三郎 米 津   勇
       長 万 部 村    永 井 小四郎
       大   沼   村  川 村 秀次郎
 特別議員  支 廳 課 長    神 谷   實
 官廳側   北海道廳水産課主事  青 山 美 乗
       渡 島 支 廳 長  小 林   薫
       水産試験所支場長   秋 谷 六 三
       支廳水産係主任    村 井 末 治