一代本尊

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一代守本尊信仰は、干支と八大菩薩を組み合わせ、自分の生まれた干支による守本尊を一代様とする(小池淳一「イチダイ様信仰の生成」『弘前大学国史研究』一〇二)。
 万延元年(一八六〇)の「津軽道中譚(つがるどうちゅうたん)」(資料近世2No.四四四の書名は「滑稽嘘尽戯」、一般になじみ深い書名を本巻では挙げた)には、年齢から生まれた年の守本尊を捜し、占いをしている様子が記され、幕末にはこの信仰が成立していた。京徳寺・神宮寺(現南津軽郡尾上町)の十二支堂、袋宮寺の三夜堂(辰・巳・午)にも一代守本尊が祀られた。
表36 津軽の一代本尊
干支守本尊(八大菩薩)津軽の一代様
千手観音目屋清水の観音(多賀神社)
丑・寅虚空蔵菩薩百沢の虚空蔵(求聞寺)
文殊菩薩兼平の天満宮天満宮(弘前)
辰・巳普賢菩薩愛宕様(橋雲寺)
勢至菩薩袋の観音(白山姫(はくさんひめ)神社)
未・申大日如来大鰐の大日様(大円寺)
不動明王古懸不動(国上寺)
戌・亥八幡大菩薩八幡宮(弘前八幡宮)