笹森要蔵 菊池定次郎 出町大助 桜庭又蔵 太田瀧五郎 寺井純司 黒瀧忠造 佐藤英司 半田忠之助 芝田忠三郎 竹内重兵衛 山川清隆 外崎覚蔵 野村勝太郎 三上昌治 佐々木多吉 本多謙一 大高歳行 藤岡知言 岩庭近正 佐藤豊吉
翌二十一年度の『弘前総町臨時聯合会筆記』によれば、同年度の議員は、佐藤英司から薄田貞一へ、芝田忠三郎から成田利助へ交代している。
明治十八年(一八八五)の弘前総町の収入決算は次のとおりであった。
明治十八年度弘前総町費収入精算報告
予算金百九拾三円九拾五銭
一金百四拾三円五拾九銭六厘 営業割
但、聯合総町内、本年度営業税、雑種税賦課高、金五千六百九拾五円八十銭、即チ金壱円ニ付金三銭四厘七毛五六八
外
金五拾円三拾五銭四厘 公売処分金及営業税ノ減少ニ因リ収入不足
予算金百九拾三円九拾五銭
一金百八拾弐円三拾三銭三厘 戸別割
但、聯合総町内賦課ノ建物総個数、六拾九万四千九百七拾九円、即チ一個ニ付金弐毛七九〇七四
外
金拾壱円六拾壱銭七厘 公売処分ニ因リ収入不足
予算金三百八拾七円九拾銭
合計金三百弐拾五円九拾弐銭九厘
一金五円九拾七銭七厘 雑収入
内訳
金五円九拾七銭七厘 土木費雑入
惣計金三百三拾壱円九拾銭六厘
予算金百九拾三円九拾五銭
一金百四拾三円五拾九銭六厘 営業割
但、聯合総町内、本年度営業税、雑種税賦課高、金五千六百九拾五円八十銭、即チ金壱円ニ付金三銭四厘七毛五六八
外
金五拾円三拾五銭四厘 公売処分金及営業税ノ減少ニ因リ収入不足
予算金百九拾三円九拾五銭
一金百八拾弐円三拾三銭三厘 戸別割
但、聯合総町内賦課ノ建物総個数、六拾九万四千九百七拾九円、即チ一個ニ付金弐毛七九〇七四
外
金拾壱円六拾壱銭七厘 公売処分ニ因リ収入不足
予算金三百八拾七円九拾銭
合計金三百弐拾五円九拾弐銭九厘
一金五円九拾七銭七厘 雑収入
内訳
金五円九拾七銭七厘 土木費雑入
惣計金三百三拾壱円九拾銭六厘
(『明治廿年度弘前総町聯合会筆記』)
写真24 弘前総町臨時聯合会筆記
以上の部分にある予算部分と予算と決算の差額の表記は朱書されている。また、収入の内訳につき、次の説明が付されている。
明治十八年度弘前総町収入精算報告説明
一 営業割ノ予算額ニ対比シ、金五拾円三拾五銭四厘ノ不足ヲ生セシ所以ノモノハ、営業税減少ノ為メ、金四拾九円四拾八銭壱厘減スルト、公売処分ノ為メ、金八拾七銭三厘ノ欠損アルニ因ルナリ
一 戸別割ノ予算額ニ対比シ、金拾壱円六拾壱銭七厘ノ不足ヲ生セシ所以ノモノハ、公売処分ノ為メ、金拾弐円七拾銭九厘ノ欠損アリト雖トモ、建物個数増加ニ依リ、金壱円九銭弐厘ノ収入増アルヲ以テ、之ヲ差引スルニ依ルナリ
一 雑収入ノ臨時収入アル所以ノモノハ、桶屋町外四ヶ町、古橋木材売却スルニ由ル
(同前)
営業割減少の原因である営業税減少は、松方デフレの影響が続いていることを示している。
こうした収入を弘前総町はどのように支出したのかを表11により見てみよう。この表に見るように、土木費が最大の支出項目であり、整備費と会議費がこれに次いでいる。会議費と土木費についてはさらに説明がある。
表11 明治18年度弘前総町費支出精算報告 |
費 目 | 内 訳 | 金額(円) | 内訳金額(円) | 予算額(円) | 内訳金額(円) |
会議諸費 | 21,774 | 33,695 | |||
雑給 | 4,050 | 8,700 | |||
雑費 | 17,724 | 24,995 | |||
土木費 | 202,226 | 316,705 | |||
道路橋梁費 | 202,226 | 316,705 | |||
警備費 | 37,500 | 37,500 | |||
警備費 | 37,500 | 37,500 | |||
合計 | 261,500 | 261,500 | 387,900 | 387,900 | |
外 | 70,406 | ||||
総計 | 331,906 |
『明治20年度弘前総町聯合会筆記』により作成 |
明治十八年度弘前総町費支出精算報告説明
会議諸費
此精算額ヲ以テ予算額ニ比スレハ、金拾壱円九拾弐銭壱厘ヲ減少セリ、其然ル所以ノモノハ、開会日数僅カ二日間ニシテ結了セルニ因ル
土木費
此精算額ヲ以テ予算額ニ比スレハ、金百拾四円四拾七銭九厘ヲ減少セリ、然ル所以ノモノハ、茂森町坂工事施行ニ臨ミ、破壊ノ甚シキカ故ニ、到底予算額ニテ行届カタク、仮令幾分ノ補理ヲ加フルモ、追々改良セサレハ実功ヲ奏スルコト能ハサルナリ、依テ後年度ニ於テ、改良ノ見込ヲ以テ、該工事施行セサルト、又物価ノ低落及工事ノ都合ニヨリ、馬屋町橋梁費金、五拾四銭四厘、新町橋梁費金、三拾三円拾六銭ヲ減スルトニ依ルナリ
警備費
此精算額ト予算額ト比スルニ毫モ増減ナシ
会議諸費
此精算額ヲ以テ予算額ニ比スレハ、金拾壱円九拾弐銭壱厘ヲ減少セリ、其然ル所以ノモノハ、開会日数僅カ二日間ニシテ結了セルニ因ル
土木費
此精算額ヲ以テ予算額ニ比スレハ、金百拾四円四拾七銭九厘ヲ減少セリ、然ル所以ノモノハ、茂森町坂工事施行ニ臨ミ、破壊ノ甚シキカ故ニ、到底予算額ニテ行届カタク、仮令幾分ノ補理ヲ加フルモ、追々改良セサレハ実功ヲ奏スルコト能ハサルナリ、依テ後年度ニ於テ、改良ノ見込ヲ以テ、該工事施行セサルト、又物価ノ低落及工事ノ都合ニヨリ、馬屋町橋梁費金、五拾四銭四厘、新町橋梁費金、三拾三円拾六銭ヲ減スルトニ依ルナリ
警備費
此精算額ト予算額ト比スルニ毫モ増減ナシ
(同前)
これにより、明治十八年度における道路工事の進行状況と、それに弘前総町聯合会の予算が使用されている様子がわかる。