一、染織業
一、改善及奨励要点
二、実行スヘキ事項
二、酒造業
一、改善要点
(イ)品質ノ改善統一ヲ謀リ、及共同販売ノ方法ヲ設ケ、県外移出ノ途ヲ講スルコト
(ロ)技術ノ向上ヲ図リ設備ヲ完全ニスルコト
(ハ)果実酒ノ醸造ヲ奨励スルコト
二、実行スヘキ事項
(イ)指導技術員ヲ常置シ、講習、講話及実地指導ヲ為サシムルコト
(ロ)酒母麹等ノ研究機関ニ対シ補助スルコト
(ハ)販路拡張、及品評会競技会等ニ補助スルコト
(ニ)果実酒ノ販路拡張ニ対シ援助スルコト
(ホ)薬品及ヒ種麹ノ共同購入ヲ奨励スルコト
三、食料品
一、改善要点
二、実行スヘキ事項
(イ)視察及品評会ニヨルコト
(ロ)県ニ於テ土産品ノ懸賞ノ募集ヲナスコト
(ハ)製麺業者ヲシテ原料ノ共同購買ヲ為サシムルコト
(ニ)飴粕ノ利用方法ヲ講スルコト
(ホ)缶詰類検査ノ方法ヲ設クルコト
(ヘ)缶詰類ノ原料タル榲桲(おつぼつ)(マルメロ)ノ栽培ヲ奨励スルコト
四、金属品
一、改善要項
(イ)学理ノ応用ニ努ムヘシ
(ロ)共同設置等ニヨリ、成ルヘク機械ヲ利用シ、工費ヲ減縮スヘシ
(ハ)技術ヲ鍛錬スヘシ
二、実行スヘキ事項
(イ)優良ナル職工ヲ選抜シ、斯業ノ先進地ニ派遣シ、実地研究ニ当ラシムルコト
(ロ)機械ヲ県ニテ買入レ、年賦ニテ当業者ニ貸与スルコト
(ハ)専門技術者ヲ常置シ、当業者ノ指導ニ当ラシムルコト
(ニ)競技会、展覧会ヲ開キテ技工ヲ奨励スルコト
(ホ)県立工業学校ニ機械科ヲ設置スルコト
五、漆器業
一、改良要点(ママ)
二、実行スヘキ事項
六、木工品(中略)
七、竹蔓細工(中略)
八、雑工品(中略)
九、副業的手工品
一、改善要点
十、工業助成機関
ここに書かれている工業発展助長策は、弘前市やその周辺で盛んな工業種別についてであり、その奨励策の内容は、工業学校の充実などの技術面や、原料の確保、製品の販路拡張など、多様なものであった。
一、改善及奨励要点
(イ)品種ノ改善、増加、及統一ヲ期スルコト
(ロ)染色ノ統一ヲ期スルコト
(ハ)出機若クハ組合ヲ以テ副業者ヲ誘導シ、集約的ニ企業セシメ、機業地ヲ形成セシムルコト
(ニ)調査研究ヲ怠ルヘカラサルコト
二、実行スヘキ事項
(イ)現在執行シツツアル伝習ヲ拡充スルコト
(ロ)試験機関ヲ設クルコト
(ハ)模範企業共同施設及ヒ機械ニ補助スルコト
(ニ)機織補習教育ヲ普及セシムルコト
(ホ)調査参考書第二款土産原料中ニ掲ケタル(一)染色用植物及鉱物、(二)繊維類ハ県ニ於テ蒐集シ之ヲ当業者ニ展示スルコト
(ヘ)繊維類ノ葛蔓布ハ織物ノ原料トシテ頗ル有望ナレハ、県ニ於テ其ノ採取ヲ奨励シ、之カ利用ノ方法ヲ講スルコト
(ト)県ニ於テ毎年当業者ヨリ二名若クハ三名ヲ選抜シ、機業地及需用地ヲ視察セシムルコト
(チ)組合ニ於テ染色所ヲ一定スルコト
(リ)呉服商トノ連絡ヲ図ル為メ仲介者ヲ設ケ、毎年数回会合ヲ為スコト
(ヲ)当業者ハ自治的ニ見本ヲ蒐集、試験、意匠、図案ノ研究ヲ為スヘク、県ハ之ニ対シ相当助力ヲ与フルコト
二、酒造業
一、改善要点
(イ)品質ノ改善統一ヲ謀リ、及共同販売ノ方法ヲ設ケ、県外移出ノ途ヲ講スルコト
(ロ)技術ノ向上ヲ図リ設備ヲ完全ニスルコト
(ハ)果実酒ノ醸造ヲ奨励スルコト
二、実行スヘキ事項
(イ)指導技術員ヲ常置シ、講習、講話及実地指導ヲ為サシムルコト
(ロ)酒母麹等ノ研究機関ニ対シ補助スルコト
(ハ)販路拡張、及品評会競技会等ニ補助スルコト
(ニ)果実酒ノ販路拡張ニ対シ援助スルコト
(ホ)薬品及ヒ種麹ノ共同購入ヲ奨励スルコト
三、食料品
一、改善要点
(イ)粉類ハ精製ヲ旨トシ、同業者団結シテ、商品ヲ整一ナラシムルコト
(ロ)麺類ハ原料ヲ精選シ、包装ヲ吟味スヘシ
(ハ)菓子類ハ保存ニ適スル品種ニ製出シ、産額ハ増大ニシ、一面優良ナル特産品ノ製作ヲ講シ、包装ヲ端正ニシ、意匠モ亦忽ニスヘカラス
(ニ)缶詰類ハ技術ノ向上ト設備ノ完全ヲ期スヘシ
二、実行スヘキ事項
(イ)視察及品評会ニヨルコト
(ロ)県ニ於テ土産品ノ懸賞ノ募集ヲナスコト
(ハ)製麺業者ヲシテ原料ノ共同購買ヲ為サシムルコト
(ニ)飴粕ノ利用方法ヲ講スルコト
(ホ)缶詰類検査ノ方法ヲ設クルコト
(ヘ)缶詰類ノ原料タル榲桲(おつぼつ)(マルメロ)ノ栽培ヲ奨励スルコト
四、金属品
一、改善要項
(イ)学理ノ応用ニ努ムヘシ
(ロ)共同設置等ニヨリ、成ルヘク機械ヲ利用シ、工費ヲ減縮スヘシ
(ハ)技術ヲ鍛錬スヘシ
二、実行スヘキ事項
(イ)優良ナル職工ヲ選抜シ、斯業ノ先進地ニ派遣シ、実地研究ニ当ラシムルコト
(ロ)機械ヲ県ニテ買入レ、年賦ニテ当業者ニ貸与スルコト
(ハ)専門技術者ヲ常置シ、当業者ノ指導ニ当ラシムルコト
(ニ)競技会、展覧会ヲ開キテ技工ヲ奨励スルコト
(ホ)県立工業学校ニ機械科ヲ設置スルコト
五、漆器業
一、改良要点(ママ)
(イ)材料ノ選択ヲ慎ミ、髹法及図案ヲ攻究シ、応用ノ範囲ヲ拡メ、一般漆器ノ製作ヲ講スヘシ
(ロ)共同施設ニ依リ販路ノ拡張ト設備ノ完全ヲ期スヘシ
二、実行スヘキ事項
(イ)素材ノ購入、乾燥、製漆等ニ対シ共同施設ヲ為スコト
(ロ)漆液ノ標準ヲ定ムルコト
(ハ)当業者ヲシテ簡易ナル徒弟養成所ヲ設ケシメ、之ニ対シ相当補助スルコト
(ニ)試験機関ヲ設クルコト
(ホ)競技会ヲ開キテ技巧ヲ奨励スルコト
(ヘ)当業者ニ旅費ヲ給シテ先進地ヲ視察セシムルコト
(ト)漆液ノ栽培ヲ奨励スルコト
(チ)工業学校及試験機関ヲ利用スルカ、若クハ県ニ於テ専門技術者ヲ招聘(へい)シ、講話会ヲ開催シテ職工徒弟ノ補習教育ヲ為シ、製品ノ改良ヲ図ルコト
(リ)当業者ニ於テ適当ノ地ニ委托、及ヒ出張販売ヲ為スコト
六、木工品(中略)
七、竹蔓細工(中略)
八、雑工品(中略)
九、副業的手工品
一、改善要点
(イ)副業的手工業ノ勃興ヲ促スヤ甚タ切ナルモノアルハ調査書ニ叙説セリ、其助成方策ニ至リテハ多々アルヘシト雖モ、講習、講話補助等官庁ノ施設ニ依ルノ外、商工協会ナル研究指導団体ヲ組織シ、直接其奨励方ニ当ラシメ、更ニ補習教育ニヨリ根本的ニ素養ノ普及ヲ謀ルヲ捷(しょう)経トス
(ロ)大工業誘致
無限ノ原料ト多大ノ労力トヲ保有シ、海陸ノ至便アリ、加フルニ工業ノ要素タル石炭ト鉄ハ近キ対岸ニアルニ於テ而モ、土地及労力モ亦低廉ナル本県ハ絶好ノ企業地ト謂ハサルヘカラス、是等ニ就キ精細ナル調査試験ヲ遂ゲ、無名ニシテ無限ノ宝庫ヲ探ネ、コレヲ発表シ、コレヲ広告シ、大ニ資本家及経営者ヲ誘致ス可シ、無限ノ宝庫トハ何ソヤ、例ヘハ精錬、製鉄、鉄工、造船、製麻、製紙、製糸、セメント、陶磁器、酒精、石鹸、製油、製薬、製肥等有利ナル事業続出シテ、実ニ天与ノ恵土タリ、若シ夫レ誘致ノ策ニ至リテハ
一、調査機関ヲ設置スルコト
二、施業上利便ヲ与フルコト
三、資本家ヲ招シテ踏査ヲ請フコト
四、各郡市ニ授産場ヲ設ケ県ハ之ニ対シ相当ノ補助ヲ与フルコト
五、副業品展覧会ヲ開クコト等ナリトス
二、施業上利便ヲ与フルコト
三、資本家ヲ招シテ踏査ヲ請フコト
四、各郡市ニ授産場ヲ設ケ県ハ之ニ対シ相当ノ補助ヲ与フルコト
五、副業品展覧会ヲ開クコト等ナリトス
十、工業助成機関
一、同業組合及準則組合ノ活動ヲ促スコト
五、工業講習所ヲ設置シテ職工ヲ養成シ、更ニ巡回講習ニヨリ当業者ノ技術向上ヲ促スコト
六、前項ノ主旨ヲ実現センカ為メ左ノ方法ヲ執ルヲ可トス
(イ)同業組合準則ノ改正ヲ為スコト
(ロ)県立工業学校ノ拡張ヲ図ルコト
(ハ)県立工業学校ノ卒業者ヲ収容スルタメ、当業者ヲ主トシ、法人組織ノ会社ヲ設立スルコト
(ニ)地方産愛用ノ気風ヲ養フ為メ、適切ナル方法ヲ設クルコト
(ホ)北海道枢要ノ地ニ本県物産館ヲ設クルコト
(ヘ)北海道其ノ他適当ノ地ニ本県物産ノ紹介陳列ヲ為スコト
(ト)県庁其ノ他公共団体ノ商工事務担当者ヲ毎年数回会合セシメ、商工業発展ノ方法ニ就、一致ノ歩調ヲ取ルコト
(チ)商工税ノ軽減ヲ図ルコト
(リ)商工業者及職工徒弟ニ対シ表彰ノ方法ヲ設クルコト
(ル)県立学校及専門技術者ヲ利用シ、職工徒弟ニ対シ、補習教育ノ施設ヲ為スコト
(ヲ)県立学校ニ商議員ヲ設クルコト
ここに書かれている工業発展助長策は、弘前市やその周辺で盛んな工業種別についてであり、その奨励策の内容は、工業学校の充実などの技術面や、原料の確保、製品の販路拡張など、多様なものであった。