長慶寺は萬年山と號し、【位置】新在家町東三丁字十萬小路にあり、大德寺末で、寺格三等地、【沿革】寬永六年澤庵の高足玄策重興し、師命により、一凍紹滴を開山とした。(堺南北寺菴本末開基宗旨改帳、明治三十五年寺院提出書類)元祿二年堺大繪圖に、念佛寺の附近に長慶寺町の名が見えて居る。是れ當寺の故址に充つべきものゝやうである。一説にはもと大阪天滿の邊にあり、天文年間の創立で、後奈良天皇の勅願所であると云はれてゐる。又云ふ、開基は三好長慶であると。【本尊】【堂宇】本尊釋迦牟尼佛で本堂、庫裏、文庫、納家、門の外に辨財天堂あり、境内六百四十三坪を占め、(社寺明細帳)【什寶】什寶に後陽成天皇宸翰一幅、大燈國師筆垂示一幅、一凍和尚臘八偈一幅、大金光明本尊一幅、雙頭蓮房一莖等がある。【墓碑】墓地に堺奉行三宅康哉、近藤隆昌等の墓碑がある。