ただこの時、最初に行われた村役の任命史料はない。小熊善右衛門が組頭となった四年三月頃に、庚午移民の三村の村役が任命されたものと思われる。村三役の変遷は表2の通りである。この中で指摘できることは、豊三郎組の組頭であった日田豊三郎(円山村)、徳次組の今野徳次(丘珠村)、元右衛門組の坂野元右衛門(苗穂村)が、その後も村役をつとめ輿望(よぼう)を担っていたことである。
表-2 村三役の変遷
写真-3 小熊善右衛門の履歴書(部分) 組頭・名主・副戸長の任免が記され、
行政制度のめまぐるしい変遷のあとをうかがうことができる。(札幌村郷土記念館)