このような札幌区と隣接していた村の、区と接する地域では、明治二十年代後半すでに札幌区への編入が話題になっていた。それが実現したのは四十三年四月一日である。
　札幌区に編入された地域は、札幌村の南西部の区と接続する地域、白石村字上白石村の区に接続する地域、豊平町字豊平村の区に接続する地域、藻岩村大字山鼻村のもと屯田兵村のほぼ全域である。また札幌区の内、現在の北二六条以北の地域を琴似村へ編入した(図4参照)。これにより、現在の札幌市域の二・二パーセントほどが札幌区となったが、人口では現市域内人口の七三パーセントを札幌区が占めることになった。

図-4　明治43年境界変更図
『区会ニ関スル書類』(明43)，『境界変更ニ関スル書類』(明43)より作成
(原図；札幌区役所『札幌区全図』(明43))。