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札幌市域の小作率

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 本項では、主として昭和元年から同十年にかけて発生した小作争議について取りあげたい。その代表的事例は、先に述べた学田地の争議であるが、その前に、昭和十年頃の札幌市域における小作状況について触れておこう。表10は、この時期の自小作別の農家戸数を各町村毎に示したものであるが、小作農家の比率が最も高いのは篠路村(七二・〇パーセント)であり、以下、札幌市、藻岩村琴似村札幌村の順となっている。また、自小作農家の比率が高いのは札幌村(二八・七パーセント)で、白石村がそれに次ぐ数値を示している。逆に、自作農の比率は豊平町が最も高い(三〇・四パーセント)。
表-10 自小作別の農家戸数
市町村自作自小作小作自作自小作小作
札幌126戸31戸360戸517戸24.4%6.0%69.6%100.0%
札幌7414628950914.528.756.8100.0
篠路村714930942916.611.472.0100.0
琴似村18916147982922.819.457.8100.0
手稲村11310732354320.819.759.5100.0
藻岩村716122235420.117.262.7100.0
豊平町3451856061,13630.416.353.3100.0
白石村17417145079521.921.556.6100.0
1,1639113,0385,11222.817.859.4100.0
札幌市は『札幌市勢一覧』(昭10),他は石狩支庁『石狩概観』(昭11)により作成。

 以上のように、現在の札幌市域でいえば、北部方面の諸村が高い小作率を示しているといえよう。