道展の事業内容としてあげられている児童自由画についていえば、昭和四年六月九日から二十三日まで、農業館で第一回全道児童美術展覧会が開かれた。総点数一六二五点の出品作の中から、九七五点の入選作が出た(道展日誌、北タイ 昭4・6・9)。審査は、美術協会の三浦鮮治、斉藤尚、澤枝重雄、山本菊造、加藤悦郎、今田敬一、本間紹夫、林竹治郎、能勢真美、島崎貢らがあたった。札幌は応募総数五七六点の内、入選四三二点と成績が良く、小学校別に記すと、札幌山鼻校三三点、東橋校五点、北九条校六五点、東北校一六点、東校三二点、桑園校二三点、北光校五五点、札師附属校三二点、苗穂校三三点、西創成校六三点、大通校五五点、中央創成校一二点、豊水校九点といったぐあいである。六月十五日の札幌祭の日の『道展日誌』の記載には、「今日はお祭なので田舎の人らしき入場者多く、木戸銭は何程か、などと問ふ人もあれバ、出版社のカタログを入場券と間違へる人などもありて、天晴れ美術展覧会もお祭の興業物扱ひにされたる観にてむしろ御愛嬌なり」とある。
また道展では、道庁学務部の後援のもと、全道の図画教師を対象とした講習会を七回、昭和十一年から十七年まで大通小学校で開いた。十一年度は八月一日から五日までの会期で、約一〇〇名の講習生があり、林竹治郎、本郷新、今田敬一の講演、静物やモデルを使っての指導が行われた(道展四十年史)。