恐れながら書付をもって願い上げ奉る口上の覚え
一、当八月一日の洪水により鹿曲川が満水になり、望月宿北側の伝馬役屋敷二十軒、そのほか裏家・土蔵・木小屋・物置・厩などが残らず流失しました。また、流されないで残った家も、軒下が川筋になり、住むことができず難儀しています。そこでご領主様からたびたび救助米などを与えていただき、堤防工事をしていただきましたが、川筋が悪くなったため、その後少々の出水でも被害を受けるようになり、このような状態では伝馬役などを務めることができません。また、耕作にも差し支え、生活ができず困っています。そこで、幕府道中奉行所で堤防工事をしていただければありがたく存じます。