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乍恐以書付奉願上候口上之覚
一望月宿去ル戌之八月大満水ニ而、当宿御伝馬
役屋敷弐拾軒並裏家・土蔵・木小屋等迄流
失仕、此度御見分被成下置候通ニ御座候、
其上田地夥敷流失仕、御伝馬役相勤り兼候
躰ニ而困窮仕候、依之宿之川除御普請
奉願上、猶又流失残り候田地川除場所、別
紙帳面ヲ以、此度奉願上候、御慈悲ヲ以田地
川除被成下置候而茂、駅宿難相立仕合ニ
御座候而ハ、田地所持仕候甲斐無御座、往還
御用相勤り不申、難儀至極ニ奉存候、依之
乍恐奉願上候ハ、田地川除地之儀者仮不被成
下置候共、駅宿相立往々御伝馬役相勤り
申候様ニ、宿之川除被成下置候ハヽ難有奉
存候、田地川除被為遊被下置候と、被為
思召御拝借金被下置候ハヽ、田地川除之
儀者追々手前普請ニ可仕候、左候得ハ重
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畳之御慈悲ヲ以駅宿相立、往還御用
相勤り可申と難有奉存候、以上、
牧野内膳正領分
中山道望月宿
寛保三癸亥年二月 問屋 久左衛門 (印)
同断 名主 半 兵 衛(印)
年寄 与惣右衛門(印)
同 文左衛門 (印)
同 藤左衛門 (印)
同 祖右衛門 (印)
同 喜右衛門 (印)
同 庄 五 郎(印)
同 茂右衛門 (印)
惣百姓代 惣左衛門 (印)
御見分
御役所様