百性往来 4
凡百性取扱文字
農業耕作之道具
鋤鍬鎌犂馬把
钁竹把鉄把箆
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菌担桶天秤棒
簣持籠駒掫鋤
簾捌〓《ヱブリ》蒲器槌
〓《ガンジキ》間杭橇連架
稲扱碓〓《カラ》杵舂
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肘木挽磨箕泥障
簸簾板簾間簾千石
梼篩絹〓《フルイ》桔槹□
桶水車飜車龍骨車
蓑笠〓《フド》石籠等之
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加修理破損毎日
田畑を見廻指図
肝要也、扨又新田
開発地平均相済
御検地入持主名主
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御縄を請、石盛分
米厘付等、土地之
上中下町反畝歩
迫地熟田木陰
日向廣狭長短
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甲乙多少空売高
考変地盛衰、水
損旱損之手当者
池溜井川筋ニ者堤を
築、筧埋、樋〓《イリ》土手
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堰齟齬関板羽口
柵迄逐一目論見
帳を以、年々村方之
物入りを可分別者也、
肥者下□馬糞馬
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踏草干鰯魚腸
就苦贏子蝦蛄
糠油絞粕藁灰等也、
就中米者籾芽出
摘田蒔付苗代鳴子
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案山子掘浚水曳
水口抜端之塩梅
温夏旱魃雨乞葉
渋滑虫之妨無之様
是亦勘弁第一也、
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御検見を請、坪刈
田場立札毛揃合
毛附無相違御年
貢者、口米共赤玉青
砕荒等無之様遂吟
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味、米見升取名主
立合、縄俵念入御
蔵納津出場之事、
別而未進無之様
可心懸者也、将亦
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御巡見遵行御伝
馬、御領私領之村々
定大助遠村加助
役并ニ助郷問屋人
馬割触順番宿駅
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之到着御用無指
支様馬指之任指
図、継送荷物宰
領中へ渡之、道橋
舩川渡場、往還大
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道之掃除、他村入
会之境我拶無之
様可相謹、惣而荷
物之貫目者、馬一疋
乗懸二十貫、軽尻
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五貫、駄荷三拾六
貫目、尤少々宛
用捨可有之歟、
本乗物一挺六人、
山駕籠壱挺四
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人掛、分持壱人者
五貫目、其外貫
目之軽重者、一人
五貫匁之積を以、
継合候事御大法也、
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平生重御公儀様
御領私領之御代官
を奉敬可顧身之分
限を、家之造作者丸太
を以掘立、大壁縄
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□床者簀子撹、
屋根者草茅葺、
迫門門埒垣開閉
之〆、格子蓮子敷
居戸障子者古物を
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用、鋪物者莞莚
蒲席□藁藉
縁取珍客之節者
備後表、減奢可
着麁服、織木綿
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道具者撹車唐弓
同弦糸車紡錘糸
巻□〓《カセ》綜杭筬
同框杼管高機
下機等也、常々之
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糧ニ者、岡穂唐米
麦挽割秕米粉
割陣蒼米迄も扱
熟搗搓、精随分
大切ニ表粮仕込置
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飢饉之節不渇様之
心得第一也、茶菓
子者麦焦〓《ヤキ》米を
以転心、客人ニ者
餅或温飩或蕎麦
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切池沼之魚茶園
之野菜手作之酒
ニ而饗応、野業之
隙ニ者木樵落葉撹、
草履草鞋作之、
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草藁粟稗売者稲
村茅巻ニ而拘之、葭山
芦原荻薄秣場之
枯草迄刈取、牛馬
飼料之粮可用、扨又
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牛馬之馬喰牛ハ□
二才□三才□四才
□五才□六才、馬者
□一才駒二才□三
才□四才等也、名所
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古跡古戦場内海
荒海潟江入江湊塩
濱者可用古法之例、如
此其道々を弁知、猥
不切山林之竹木不掠
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人之地、不致隠田、正
直第一之輩者、終
子孫永成富貴繁
昌之家、仏神之叶
冥加事、不可有疑、
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依而如件、
作者浪花禿菷子
于時明和八歳辛卯仲秋吉辰
此一冊ハ農家童子乃為に新に綴て
版行して、猶亦文字を改て仮名を正し読に
易く、学で益あり、実に農家の宝也云爾、
武江書肆
御江戸馬喰町二丁目
西村屋與八求板