津軽為信の津軽統一を中心として編さんした官撰史書。四代藩主信政時代に計画され、資料収集を企てたが実現せず、五代藩主信寿(のぶひさ)の享保十二年(一七二七)に用人桜庭半兵衛が編集を命じられた。同年十月に家老津軽校尉(こうい)の名で領内に資料収集の協力を求める触れが出され、同十六年五月に完成した。津軽家始祖の光信(みつのぶ)の事績に始まり、為信の独立、四代信政までの歴代藩主の事績、寛文蝦夷蜂起事件までを記した第十巻のほか、地誌関係を記した首巻・附巻各一巻がある。『新編青森県叢書』(一)などに復刻されている。第十巻は、『青森県史』資料編近世I(二〇〇一年 青森県刊)に、各写本が掲載されている。