市道は、その性格により、市と隣接町村を結ぶ一級、近接集落を結ぶ二級、その他集落内道路等である三級に分類され、一級と二級の幹線市道については、昭和五十七年度末で改良率五八・八%、舗装率六一・七%に達しており、バス路線をはじめとして集落間の連絡区間についてはほぼ整備が完了しているといえる。今後の課題は、一級と二級市道のうちの無集落区間と三級市道のそれぞれの役割と重要性を勘案しながら整備強化を図ることにある(同前)。
弘前市は、昭和三十年代の周辺町村との合併により市域が約二九倍に拡張され、旧町村道を大量に取り込むこととなったが、その後の市街地の拡大・開発の進展により、道路も時代に合った性格づけを求められている。そこで、昭和五十三年度着手、昭和六十年度完成を目標として、道路台帳の整備を進めているが、これが完成した際には、市道全般についてより実態に合った状況の把握が可能となり、それらの情報に基づいて市道の分類の見直しが必要である。
一方、私道の整備に関しては、既に昭和五十四年度にそれまでの地元負担について五〇%から四五%に五ポイントの引き下げを実現している。その性格上公道と同様というのは困難であるが、公益性、広域性の高いものに関して特別な取り扱いが可能かどうかが課題である。
また、道路の改良、舗装を進める一方で、維持修繕にも努力を続けてきたが、その経費は昭和五十七年度には昭和五十三年度の一・八三倍になっており、今後も増加を続けるものと判断され、新たな改良、舗装と維持修繕の経費配分に意を用いなければならないこととなる。
都市計画街路の状況は、昭和五十七年度末の計画決定路線四一線、一〇万六一五〇メートル、その内訳は国道一万六一三〇メートル、県道三万二八二五メートル、市道五万七一九五メートルで、それぞれの事業進捗率は八二・三%、一三・八%、二八・二%となって全体では三二・〇%であり、昭和五十年度の九・九%から大幅に整備が進んだ。
この間には、昭和五十七年度に懸案であった城東地区と駅前地区を結ぶ地下連絡道が完成し、歩行者及び自転車の専用道としてその機能を果たしているほか、三・三・三号下白銀町・高崎線及び三・三・二号富士見町・撫牛子線についてはそれぞれ交差部までの整備を終え、市街地北部の交通渋滞緩和に大いに役立っている。また、城東地区から小比内地区にかけて中央幹線として三・四・二〇号紺屋町・堀越線の整備が進んだ昭和五十八年度には、新たに市の西部方面から市街地中心部に向かう際の交通渋滞の緩和を図るため、城西団地から茂森町をまっすぐにつなぐ三・四・六号山道町・樋の口町線の建設に着手している。そのほか宅地開発の進んだ地区と既成の市街地との円滑な連絡道路の整備が課題となっている。
生活道路に関する施策の方向は次のとおりであった。
①市道の整備は、一級及び二級幹線市道については無集落区間であっても緊急度の高いものを選択し、三級市道については集落内道路として地元においてその道路改良への意識の高いものを優先するなど、両者の均衡を図りながら、計画期間内に改良一二三キロメートル、舗装七九キロメートルの事業実施を目標とし、昭和六十五年度末には改良率、舗装率とも六〇%を目指す。
②道路台帳の整備完成後速やかに市道の級別等全般的な見直しを行う。
③舗装道の維持は雪寒地帯の弘前市にとって今後とも質的、量的な充実が要請される。特に、歩車道の間の段差等危険防止のため必要なものについては、切削工法も取り入れて整備を進め、交通の安全性の向上を図る。
④都市計画街路三・三・二号は、市街地中心部と青森方面を結ぶ市街地部南北幹線として和徳地区から中央通りまで三五八メートルを事業区間とし、事業を進める。
⑤都市計画街路三・三・三号は、和徳町の三・三・二号交差点から県道石川百田線(旧国道七号)までの二〇二メートルを事業区間とし整備中であるが、昭和六十三年度の完成を目標として事業を進める。
⑦青森県住宅供給公社が整備する宮園第二住宅団地と既存の市街地を結ぶ三・五・五号栄町・神田線及び三・四・一九号宮川・神田線を建設する。
⑧都市計画街路の整備の目標は、表60のとおりである。
(同前)
表60 都市計画街路の整備の目標 | ||||||
(単位:m, %) | ||||||
区分 | 57年度末 | 65年度末目標 | ||||
計画決定延長 | 改良済延長 | 進捗率 | 計両決定延長 | 改良済延長 | 進捗率 | |
国道 | 16,130 | 13,270 | 82.3 | 16,130 | 15,380 | 95.4 |
県道 | 32,825 | 4,530 | 13.8 | 32,825 | 5,950 | 18.1 |
市道 | 57,195 | 16,140 | 28.2 | 70,285 | 32,950 | 46.9 |
計 | 106,150 | 33,940 | 32.0 | 119,240 | 54,280 | 45.5 |
前掲『新弘前市総合開発計画』より |