表-4 移民扶助仮規則 |
募移農民 | 扶助 1日 | 15歳以上 | 7歳以上 | 6歳以下 | 塩噌料 |
玄米5合 | 同 4合 | 同 3合 | 銀 5分 | ||
募移及び自移農民 | 給与 | 家屋1 | 小屋掛料5両 | ||
農具…鍬(2), 山刀(1), 鐇(1), 鎌(2), 鋸(1), 砥(2), 鑢(1), 莚(10) | |||||
家具…鍋(2), 釜(2), 椀(人別), 畳(4), 手桶(1), 米洗桶(2), 薄縁(6), 蒲団15歳以上(2), 15歳以下(1) | |||||
募移工商 | 家作料 100両 | 3ヵ年間手当 150両 | 就産資貸与 30両 | ||
自移工商 | 貸与 | 家作料 100両 | - | - |
『開拓使事業報告』第2編(勧農)より作成。 |
さらに開拓使は四年二月、札幌市街に移住を願い出る近郡の商人へ、家作料を一戸金一〇〇両、無利息一〇カ年賦で貸与することにした。しかし昔話には、妻子を連れていることを条件としていたという話、妻帯が条件であったが、開拓地で女性が少なかったため、同じ女性が違う男と何度も永住願いの届をしたという話などが残っている(さっぽろ昔話)。妻子同伴や妻帯が条件であったかどうかは布達では確認できないが、永住の本意を確認するためにそのような条件を審査した可能性はある。またその営繕費の貸与の仕方については、多少違いがあるが、『さっぽろ昔話』には、移民への貸与金はまず一〇円を返済分として差引き、九〇円を三回に分けて支給したこと、家屋を建てる材木を切る時に二五円、その木材を建築場所に運んだ時に二五円、屋根を葺いた時に二〇円、落成した時に三〇円を下げ渡したことなどが記載されている。
なお五年九月本庁管内諸官員の永住者にも家屋営繕費を貸与することにした。等外付属には一五〇円、少主典・権少主典・史生・使掌(一二等~一五等職)には二〇〇円、大主典・権大主典・中主典・権中主典(八等~一一等)には三〇〇円などと官員の等級に応じて貸与した(開拓使布令録)。しかし『さっぽろ昔話』で、大村耕太郎が「等外付属には一五〇円、史生使掌には二〇〇円、少主典には二五〇円から三〇〇円と記憶している」といっている。
五年に至り二年以降施行の募移民扶助を廃止し、また移住者の家作料及び資本金の貸与は七年七月、勧業資本は九月限りで廃止した。従前の貸金は旧法によって返納させているが、営繕費を借りたものの総数は、六年十二月現在六〇〇戸に達したと言われている。