表-11 札幌関係選出衆議院議員 |
期 | 選挙年月日 | 氏名 | 所属政党 | 備考 |
15 | 大13.5.10 | 一柳仲次郎 | 憲政会 | 1区(札幌市) |
岡田伊太郎 | 政友会 | 6区(石狩管内) | ||
(主な得票地) | ||||
16 | 昭3.2.20 | 中西六三郎 | 民政党 | 札幌市,後志管内 |
山本厚三 | 民政党 | 小樽市 | ||
森正則 | 政友会 | 小樽市,後志管内 | ||
岡田伊太郎 | 政友会 | 石狩管内 | ||
17 | 5.2.20 | 一柳仲次郎 | 民政党 | 札幌市,石狩管内 |
沢田利吉 | 民政党 | 後志管内 | ||
山本厚三 | 民政党 | 小樽市 | ||
村田不二三 | 中立 | 札幌市,石狩管内 | ||
18 | 7.2.20 | 寿原英太郎 | 政友会 | 小樽市 |
山本厚三 | 民政党 | 小樽市 | ||
丸山浪弥 | 政友会 | 後志管内 | ||
岡田伊太郎 | 政友会 | 石狩管内 | ||
19 | 11.2.20 | 一柳仲次郎 | 民政党 | 札幌市,石狩管内 |
沢田利吉 | 民政党 | 後志管内 | ||
山本厚三 | 民政党 | 小樽市 | ||
岡田伊太郎 | 政友会 | 石狩管内 | ||
20 | 12.4.30 | 山本厚三 | 民政党 | 小樽市 |
板谷順助 | 政友会 | 小樽市,石狩管内 | ||
沢田利吉 | 民政党 | 後志管内 | ||
一柳仲次郎 | 民政党 | 札幌市,石狩管内 | ||
21 | 17.4.30 | 山本厚三 | 推薦 | 小樽市 |
沢田利吉 | 推薦 | 後志管内 | ||
安孫子孝次 | 推薦 | 石狩管内 | ||
正木清 | 自由 | 札幌市,石狩管内 |
1.氏名は得票数順。 2.『札幌の選挙』より作成。 |
第一五期は区制期同様に小選挙区制で行われたが、一六期からは中選挙区制、しかも普通選挙の実施により、札幌市の議員選出は大きな影響を受けた。すなわち、北海道の選挙区は五つの区に分けられ、札幌市は石狩支庁管轄町村とともに第一区に含まれ、小樽市及び後志支庁管轄町村と同一区を形成し、定員四人となった。これにより、札幌市を集票地盤とする候補者が当選できるとは限らず、とくに小樽市の有権者の動向が強い影響を及ぼした。第一六期を例にみると、札幌市の登録有権者二万六八四九人、小樽市二万五一三二人で、やや札幌市は多いが、投票数は小樽市二万一〇七三人、札幌市二万九八八人で、小樽市が多いのである。札幌市は小樽市よりもわずかに有権者数で上回るものの、毎回投票率が低く、投票者数で下回るから、この差が当落を分けることになる。ましてや経済力ではるかに勝る小樽市有権者の動きを注視しなければならなかったのである。表11備考欄に一六期以降の当選者の集票主要地域を、札幌市、小樽市、石狩支庁町村、後志支庁町村に四大別して表示したが、これからも札幌市を単独地盤にして衆議となることの難しさがわかろう。
政党解党後の翼賛選挙は第二一期のみである。ここにいたってはじめて普選効果ともいえる有権者の拡大が議席に結びついた。札幌市を地盤とする大政翼賛会推薦の旧民政党井川伊平と、非推薦の旧社会大衆党正木清の集票をみると、当選した正木は札幌市で井川の票を下回っているが、石狩管内で約三分の一の票を集め、とくに小樽市での得票が井川を大きく引き離した。この結果をみるかぎり、正木衆議の誕生は札幌市を地盤としたというより、地域をこえたむしろ翼賛選挙への反発抵抗のあらわれなのかもしれない。次の総選挙は、敗戦後新しい憲法のもとで昭和二十一年四月十日に行われた。