表-28 札幌市の「婦人教育」(昭和20~25年) |
年月日 | 内容の概要,参加人数 |
20.11.14~12.14 | 成人教育・英語会話講座 男404人,女363人 |
11.17~12.22 | 家庭科学講座 17会場 890人 |
21. 1.15~ 3. 7 | 成人教育・英語講座 男78人,女67人 |
3.24 | 婦人活動協議会 16人 |
6.22 | 教育講習会「日本再建生活」他 79人 |
9.18,19 | 政治教育講習会 7会場 573人(12.22 2会場 75人) |
10. 7~12 | 家庭科学講座 科学協会と共催 400人 |
22. 2.16 | 大学婦人協会札幌支部発会式 |
2.18 | 家庭教育振興協議会 |
5.26,27 | 軍政部指導による婦人教育講習会 ウィード大尉「団体の民主化」,ローラー博士「婦人教育」 |
11.18 | 婦人団体懇談会(憲法普及記念行事の一つ) ミス・エドワード出席 |
23. 4.16 | 婦人団体代表者協議会 |
5.11,12 | 家庭用ミシン機械講習会(6.10,11も実施) |
7.26,30 | 生活科学講座 |
7.30 | 社会生活改善講習会報告会 |
9. 5 | 家事洋裁講習会 |
24. 3.22 | ガールスカウト講習会 民亊部指導「ガールスカウトの在り方について」 |
4.15 | 婦人週間大会「現在の婦人の地位向上について」 |
4.15~24 | 結婚と性教育展覧会 科学普及協会と共催 |
9.27 | 婦人団体員の社会施設研究会 市内6ヵ所を見学 |
10.11 | 純潔教育指導者講習会「男女間の道徳 純潔教育の必要性」 |
25. 4. 8~ 5. 6 | デモクラシイクラス 中央・本府地区 中央創成小学校 男15人,女25人(以後,山鼻・曙,東部,北西の3地区で実施) |
4. 9 | 赤十字家庭看護法講習会 CIE図書館 20人 |
4.11~16 | 婦人のための座談会「台所と経済の話」「婦人のための法の話」 (苗穂公会堂他6ヵ所で実施 154人) |
4.16 | アメリカの家庭生活研究会 CIE図書館 156人 |
4.19,20 | 北海道婦人問題研究会 道教委と共催で討論・講演 700人 |
4.23 | ガールスカウト指導者講習 21人 |
4.24 | 母の日作文懸賞募集 応募63人 (5月14日 母の日慰安会で発表) |
4.28 | 婦人団体代表者会議 20人 (6.7 連絡・協議,道新論説委員 「参議院選挙をおえて」 14人) |
5.5~18 | カーネーション募金運動 婦人団体・中学校・洋裁学校生徒による街頭募金(募金額 306,550円) |
5.21,22 | 生活講座「家庭用ミシン機械の分解細立実習」 男5人,女55人 (10.21,22 男5人,女45人) |
5.27 | 座談会「合理的な台所について」 20人 |
6.24 | 座談会「夏の乳幼児の保健衛生について」 14人 |
7. 5 | 婦人団体会員の社会施設見学会 帝繊・道新・天使病院・上下水道・ 保育所 48人 |
7. 9 | 藻岩婦人会映写会 男20人,女60人 |
7.10 | 全米PTA協議会長ヘイズ女史,PTA総会の状況視察と懇談会 山鼻小学校・市役所 男30人,女20人 |
7.14 | 婦人団体連絡協議会 東北・北海道婦人大会代表者選出 17人 (8.14 報告会 打合会 15人 8.17 大会報告会 49人) |
7.27 | 白石地区婦人団体との懇談会 30人 |
7.29 | 厚別地区純潔教育座談会 産児制限純潔教育について 80人 |
8.20 | 婦人教養講座 講話おはなしナトコ映画 厚別町川下 50人 |
9. 5 | 白石町婦人の社会見学会 酪農・日本ビール・道新・市役所・浄水場 116人(11.24フルヤ・市役所・道新・少年鑑別所 90人) |
9. 7 | 竹上正子講演会「純潔教育」 50人 |
10.26 | 野口綾子講演会「アメリカの青少年教育について」勤労婦人 50人 |
11.26 | 座談会「婦人生活と読書を語る」 90人 |
12. 2 | 金曜講座「ロシア文学について」 男17人,女40人 (演劇・美術・音楽・フランス文学と前後5回開催) |
12. 9 | 生活科学講座「栄養について」 白石支所 男1人,女64人 |
12.19 | クリスマスと正月料理の講習会 45人 |
12.25 | 映画会 愛国厚生館 男100人,女100人 |
『札幌市事務報告』(昭20~25)より作成。 |
二十年の家庭科学講座の内容は、家庭医学・台所の科学など四科目からの選択だったが、全会場で教学課長村上善彦の「婦人と科学的態度」の講義が設定された。同じ時期に開かれた英会話講座はまだ男女別学で、翌年度には共学になったが受講者は漸減した。一方政治教育講習会は盛況で、七人の講師の中に新日本婦人同盟支部長の更科駒緒がいた。二十二年十一月の婦人団体懇談会に出席したミス・エドワードは、北海道のCIE成人婦人教育担当者である。
二十五年四月八日、民事部婦人教育係ギャグナーの「デモクラシイクラス」が開講した。これは婦人青年団体・PTAなど各種団体員を対象にした民主主義の技術の講義で、「相当の効果を挙げた」と評価が記されている。毎週土曜五回ずつ実施し、全参加者一七九人の内女性が一三九人と圧倒的に多かった(写真11)。
写真-11 「デモクラシイクラス」前列左2人目新見文子,4人目ギャグナー(昭25.6.16 山鼻小学校)
四月以降、婦人団体代表者会議がほぼ毎月開かれるようになり、行事計画への希望、全道婦人大会参加者の選出や報告会などにも活発に意見を出した。四月九日から十六日までの婦人週間行事最後の「アメリカの家庭生活研究会」は、「六日の婦人団体代表者(一五人)の真駒内キャンプクロフォード見学の報告会。民事部ギャグナー女史・グローブ女史など米国婦人五名補助講師として出席、活発な質疑応答で大盛会」と記録された。
道民事本部ポール民間報道課長は、この年の婦人週間にあたり、日本の婦人運動の指導者が運動にたいして貢献していないと批判し、「すべての婦人団体が民主主義の技術を学ぶことを期待する」との談話を発表している(北海労働 昭25・4・10)。
なお二十四年四月十二日、婦人週間記念のカップルクラス(夫婦教室)が開かれた。民間教育係モリスの肝入りで、社会問題・家庭生活など夫婦で研究し合おうという試みで(道新 昭24・4・14)、市社会教育課公民係「婦人団体及婦人啓蒙」担当の新見文子も、婦人少年室から案内をうけて参加した。上田歓子夫妻ら九組の会合はほぼ毎月続き、二十五年十月のテーマは「アメリカが来てから日本はどういう点で一番影響をうけたか」であった(新見文子書簡)。
二十五年四月十三日、婦人週間行事の一つ「市政をめぐる婦人の会」が開かれた。市内女性団体代表約二〇人が、水島ヒサを議長にたてて、前年に札幌市が善処を約束した小学校二部授業の解消や道路の改修を質し、PT会費・託児所・遊び場などについても質問したが、出席した市側の回答は不十分だった(道新 昭25・4・14)。