移出入貨物諸税

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 幕府直轄下における沖ノ口役所の徴収した、移出入貨物の税金は左の通りに定められている。
 
2分口銭 これは前時代から2分と定められたもので、船舶入港出港の際、積荷を届出させ、なお臨検の上、沖ノ口役所の帳簿に記入し、毎月10日、20日、30日の3回、問屋帳簿と照合して移入品は買入金高の100分の2、移出品は当地相場売渡金高の100分の2を、問屋小宿から納めさせた。
3分口銭 長崎俵物(昆布煎海鼠干鮑)を俵物方に売渡した金高の内、100分の3を毎年12月長崎屋半兵衛から納めさせた。
箇物二分口銭 当地商人が直接諸国へ注文した物品、ならびに移出した物品を、送状をもって届出させ、その船へ臨検の上、役所の帳簿に記入しておき、毎年12月上納させた。
酒役 移入する酒は24樽(1樽2斗入)に付金1両を課した。但し3割を免除するものとされた。
出油役 移出する魚油は12挺(1挺は4斗入)に付き金1両を課した。ただし3割5分を免除するものとしている。

 この外に面役・帆形役・穀役・蝦夷地船役等があるが、これらは皆船舶税で貨物に課するものではなかった。