開拓使設置後の税負担

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 開拓使が設置されても函館市民の税負担には変化はなかった。旧幕以来引き続いた主な税目をあげると、海産税(明治2年9月に場所請負人が廃止され、請負人納付の運上金が漁民直納の海産税となる)、沖ノ口諸税(明治3年海関税と改称)、地租(箱館地子永)、諸税(店役家役四半敷など正租以外の小物成とよばれていたもの)がある。このうち函館町会所が収納の窓口と思われる地租と諸税の1か年分について、明治3年の分が内訳け付きで残されていたので表2-32に整理しておく。
 
表2-32 明治3年箱館市中御収納井沽券金地子永表
 
◎御収納
収納科目
金額
内訳
備考
店役銭・家役銭・四半敷161両 永187.5文
質屋冥加金301軒に付金5両 6軒休株 2軒
髪結冥加161軒に付金1両16軒休株 6軒
築島冥加金11
風呂屋冥加271軒に付金3両 9軒休株 4軒
清酒冥加金96100石に付金10両 12軒高 960石
濁酒冥加金56   350100石に付金7両 32軒高 805石
醤油冥加金8   100100石に付金3両 3軒高 270石
糀冥加金13   650100石に付金7両 13軒高 195石
芝居冥加金200
山上町遊女屋冥加金2501軒に付金10両 25軒
山上町引手茶屋冥加1051軒に付金5両 21軒
山上町見番冥加金500
築島遊女屋冥加金250
築島町見番冥加金2001軒に付金10両 25軒
合計1,924 287.5

 
◎建家拝借地冥加永
冥加永金額
内2割増分
坪数
単価
27,668.1文
26,269.9
22,674.7
計76,612.7
4,611.3文
4,378.3
3,779.1
12,768.7
4,611.351坪
7,297.2
9,447.8
21,356.351
600文
360
240

 
◎畑地拝借地冥加永
冥加永金額
内2割増分
坪数
単価
1,586.4文
17,079.7
計18,666.1
264.4文
2,846.6
3,111
2,644坪
47,443.65
50,087.65
60文
36

 
◎東築島町建家拝借地冥加
冥加永金額
坪数
単価
90貫440文
944.4坪
10貫文

 
◎亀田出町地子永
地子永金額
坪数
単価
34,146.8文
74,962.3
53,252.1
計165,361.2
7,429.36坪
24,987.443
26,626.04
59,042.843
500文
300
200

 
◎亀田出町地子永
地子永金額
坪数
単価
102,511.2文
4,935.5
計125,446.7
24,102.25坪
9,871
33,973.25
500文
50

 
◎沽券金(明治2年願済分)
沽券金額
坪数
単価
266両3分永105文
内133両 永427.5
内133両 永427.5
5,337.1坪金5両

 
明治3年箱館市中御収納并沽券金地子永合計表
種別
金額
御収納1,924両 永287.5文
地子永 165    361.7
建家拝借地冥加永  76     612.7
築島町建家拝借地冥加永  94     440.
畑地拝借地冥加永  18     666.1
沽券金(明治二年願済分) 133    427.5
亀田出町迪子永 125    446.7
    計2,538    241.7

箱館并近在六箇場所共人口戸数租税調大略」道文蔵より作成
注 単価はすべて百坪当たりのもので、拝借地冥加中に内二割増分とあるのは文久元酉(1861)年よりの割増内訳である。