従来の研究

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平野南縁にあたる黒石市、尾上町および平賀町付近には開析された扇状地が展開している。青森県表層地質図(二〇万分の一)では河成段丘(1)および沖積低地として、また青森県地形分類図(二〇万分の一)では開析扇状地および扇状地性低地として取り扱っている(酒井・岩井、一九七〇、水野・堀田、一九七〇)。また大矢・海津(一九七八)は、十和田カルデラに起因する火砕流堆積物および完新世(2)の最大海進である縄文海進による堆積物などから、扇状地面をF・Ⅰ~F・Ⅳ面の四段に細分している。最高位のF・Ⅰ面は一万三〇〇〇~一万年前に、F・Ⅲ面は八〇〇〇~四〇〇〇年前に形成されたと考えている。なお村岡・長谷(一九九〇)は、高位・中位・低位の三段の河成段丘として取り扱っている。