近世における史書の編纂

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津軽弘前藩が編んだ官撰史書として、現在我々が知っているのは、享保年間に編纂された「津軽一統志」、寛政期に編まれた「津軽徧覧日記」、文化期の「封内事実秘苑」の三書である。
 ここでは、それらの内で最もよく知られている「津軽一統志」をはじめとする官撰史書の編纂の経緯・過程、そして、これらの史書の編纂を通じて形成されていく津軽家の自己認識について述べる(なお、この項の記述は主として、長谷川成一「津軽藩政文書の基礎的研究(一)」『文経論叢』一五―一・文学科篇、同「近世東北大名の自己認識―北奥と南奥の比較から―」渡辺信夫編『東北の歴史再発見―国際化の時代をみつめて―』一九九七年 河出書房新社刊を参考とした)。