全国的にみると、日常の勤務は藩主在国の時と江戸在府の場合とでは違いがあり、また番方(ばんかた)(武官として編成された諸隊)と役方(やくかた)(番方に対し行政・経済関係の役職)によっても異なっていたことはいうまでもない。勤務時間は午前十時出勤の午後三時退出程度で長時間勤務ではないが、非番の時に武芸・学問などの修業を怠らなかったとすれば、結構何かと忙しい日常であったと思われる(『生活史』Ⅱ 一九六五年 山川出版社刊)。藩士それぞれが所属によって勤務場所に出仕(しゅっし)することを勤番または出番といい、終わると明け番・非番という。