みやこ町歴史民俗博物館/WEB博物館「みやこ町遺産」

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 みやこ町は、その名の通り九州北東地部(豊前地方)における拠点地域として、ひと・もの・ことが行き交い、古代から一貫してローカルな「みやこ」としての歴史を積み重ねてきました。記紀には「豊」と紹介され、文字通り豊かで温暖な気候・風土が特色となる地域ですが、当地にはそのことを反映した歴史・文化遺産が豊富です。この画面上でその遺産の一部をご覧いただき、この地の豊かな恵みに想いをはせてみてはいかがでしょう。

みやこの「ひと(先人の事績)」

小宮豊隆
・小宮豊隆ゆかりの遺産  小宮豊隆宛て 夏目漱石・寺田寅彦書簡

 小宮豊隆(1884-1966)は、みやこ町犀川久富出身のドイツ文学者・文芸評論家です。夏目漱石の門下として詳細な漱石研究や、今なお刊行が続く漱石全集を監修したことでも知られています。平成25年(2013)以降、1000点近い資料が小宮氏遺族から故郷のみやこ町に寄贈されました。みやこ町ではこれを「小宮豊隆資料」と名付け、博物館内に記念展示室を設け、小宮の人生と業績の紹介・顕彰につとめています。

葉山嘉樹
・葉山嘉樹ゆかりの遺産 葉山嘉樹自筆原稿 小説『中学校事件』

 葉山嘉樹(1894-1945)は、みやこ町豊津出身のプロレタリア文学者です。「淫売婦」「セメント樽の中の手紙」「海に生くる人々」等、社会の弱者を芸術的に描き出し問題提起する同文学の草分け的存在として知られています。
 葉山に関する資料はあまり多くありませんが、「堺利彦・葉山嘉樹・鶴田知也の三人の偉業を顕彰する会」が収集・所有する30点ほど(著作や参考文献、写真等が中心)が、町歴史民俗博物館に寄託・収蔵されています。

みやこの「もの(記録・造形)」

「小笠原文庫」資料
「小笠原文庫」資料
・「小笠原文庫」資料

 旧小倉藩主・小笠原家旧蔵の大名家文書(文化度朝鮮通信使資料や「御当家末書」「豊倉記事」に代表される家譜や幕末維新期資料など)を中心に、旧藩士から寄贈された文書等(各種地方文書や武家礼法書など)および近代の中等教育資料(当時の教科書類・豊前育英会資料など)を含む約7,000点の史料群です。平成17年(2005)に福岡県の有形文化財に、平成29(2017)年には同資料中の「小倉藩朝鮮通信使易地聘礼資料」がユネスコ「世界の記憶」遺産リストに登録されました。

木造僧形八幡神坐像
・木造僧形八幡神坐像

 この僧形八幡神坐像は、生立八幡宮のご神体として応永元年(1394)に地頭・西郷高頼の寄進によって造られました。

金銅十一面観音懸仏
・金銅十一面観音懸仏

 この懸仏は彦山修験の一翼を担う小規模霊山として栄えた蔵持山に伝存し、山内伽藍の一つ白山社の尊像として祀られていたとみられています。

銅製鰐口(宝徳元年銘
・銅製鰐口(宝徳元年銘)

 彦山末の霊山として知られる蔵持山権現社に奉納された鋳銅製の鰐口で、表面に「謹奉施入蔵持山三所大権現御宝前 時于宝徳元年十一月吉日 大願主敬白秀 大工頼安」の銘がある。中世の名工として知られる豊前今井鋳物師の作品例。

銅製鰐口(永享八年銘)
・銅製鰐口(永享八年銘)

 蔵持山権現社(観音堂)に奉納された鋳銅製の鰐口で、表面に「奉懸観音堂鰐口之事 右夫精志老 天下泰平万民安楽公家武家専祈且越 所年□□成就□□有久 時于永享八年丙辰孟夏初八日施主敬白」の銘がある。

呰見大塚古墳発掘調査成果写真
・呰見大塚古墳発掘調査成果写真

 呰見大塚古墳(みやこ町呰見所在/福岡県指定史跡)は平成23年に発掘調査され、京築地域で唯一赤色顔料による彩色壁画が確認された装飾古墳です。現在保存のため埋め戻されている古墳内部を、高精細写真で観察しましょう。

呰見大塚古墳出土 単鳳環頭太刀
・呰見大塚古墳出土 単鳳環頭太刀

 呰見大塚古墳(みやこ町呰見所在/福岡県指定史跡)の前室右側の壁際で検出された装飾付太刀で、九州で25例目(2015年現在)となる資料。部分的に欠損しますが、刀身部長約60㎝、中央部で幅3.1㎝、背厚0.7㎝を測ります。

絹本着色当麻曼荼羅図
・絹本着色当麻曼荼羅図

 みやこ町勝山大久保所在の西山浄土宗寺院・曼陀羅寺に伝来する当麻曼荼羅図で、鎌倉時代の作とみられています。当時盛行した繊細な截金や照隈技法が多用された優品で、福岡県指定有形文化財(絵画)。

胎蔵界曼荼羅図
・胎蔵界曼荼羅図

 みやこ町国分に所在する真言宗寺院・(豊前)国分寺に伝来の胎蔵界曼荼羅図で、南北朝時代の作とみられています。描写の丹念さや素材の高い制作技術等から畿内での製作が窺われると共に天台密教の儀軌に拠る胎蔵界曼荼羅としては県内最古・唯一の遺存資料とされ、みやこ町指定有形文化財(絵画)。

豊前国分寺跡
・豊前国分寺跡周辺および三重塔

●豊前国分寺跡:

天平年間に聖武天皇の勅願により建立された諸国国分寺の一つで8世紀半ばまでには主要伽藍が完成した模様。以後様々な転変を経つつ存続し、現在の伽藍は寛文年間以降整備されたもの。

三重塔

●三重塔:

寛文年間以降進められた伽藍再興の最後に成就した建物で、明治19年から10年を掛け竣工した。
塔建立の発願は当時の住職・宮本孝梁、大工棟梁は元豊津藩御大工積役の緒方義高が務めた。

みやこの「こと(歴史・あゆみ)」 -「ひと」と「もの」とが織りなした、「生(あ)れこと」「でき(出来)ごと」さまざまの「ものがたり」-
豊津町史(上巻)
・『豊津町史(上巻)』

 みやこ町の前身の一つ、旧豊津町刊行の『豊津町史』古代~近代初頭編です(平成9年刊行)。文化遺産豊富なみやこ町豊津地区の歴史を詳しく知ることが出来ます。
テキストベースになっていますので、関心のある内容の検索が便利です。 印

みやこ町歴史民俗博物館だより
・「みやこ町歴史民俗博物館だより」

 みやこ町歴史民俗博物館が毎月発行している広報誌で、館の出来事や、所蔵品等について様々な情報を紹介していますが、「みやこ町遺産」について分かりやすく紹介したコラム「みやこの歴史発見伝」が好評です。
博物館のメインHP「みやこ町デジタルミュージアム( http://www.miyako-museum.jp)」のサイドメニューでご覧いただけます。

みやこ町(お宝)歴史たんけんマップ
みやこ町(お宝)歴史たんけんマップ
・みやこ町文化遺産パンフレット「みやこ町(お宝)歴史たんけんマップ」1~4

 さまざまな分野からなる「みやこ町遺産=町のお宝」を、分かりやすく紹介したパンフレットです。特に小中学校の児童・生徒向けとなることを意識した編集方針により、画面は①総ルビ ②オールカラー ③クイズによる遺産の紹介等が採用されていて、大人も十分楽しめる内容となっています。
以下の4分野の遺産を紹介するものが作成されていて、自由にダウンロードしてご利用していただけるようしています。タイトルをクリックしてお好みのものをご利用ください。

みやこ町(お宝)歴史たんけんマップ
このサイドメニューは文化庁が所管する以下の事業を活用して整備しています。
  • 平成27年度文化庁文化芸術振興費補助金(文化遺産を活かした地域活性化事業)
  • 平成28年度文化庁文化芸術振興費補助金(文化遺産を活かした地域活性化事業)
  • 平成29年度文化庁文化芸術振興費補助金(文化遺産総合活用推進事業)
  • 令和元年度文化庁文化芸術振興費補助金 (地域文化財総合活用推進事業)
  • 令和2年度文化庁文化芸術振興費補助金 (地域文化財総合活用推進事業)