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口絵

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明治六年札幌市街之真景

 この図は、当時開拓使官員であった画家船越長善(本巻598頁参照)が描いた、明治6年における札幌市街の真景である。札幌本府建設は、開拓判官島義勇を担当責任者として明治2年暮から始まり、多少の曲折を経た後、6年中には白亜の開拓使本庁舎も含めて一応の建設が終了した。図を検討すると、官地(大通以北)の建物については正確に描かれている。また民地の中の市会所、仮官邸、女学校など官設の建物についても明確に描かれている。その反面、薄野遊廓などは実際よりは1丁東へずれており、必ずしも「真景」と言い切れない面も多少はある。しかし札幌の町屋が創成川から渡島通(南1条通)を中心に発達した様がよくわかるなど、全体としては当時を知る貴重な史料である。(北海道大学農学部附属博物館蔵)