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町村会

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 一、二級町村とも協議機関として町村会が開設されるが、その議長は町村長で自治機能に多くの制約があった。議員の選挙被選挙権は、一級町村が①地租を年四〇銭以上納める②直接国税を年二円以上納める③土地三町歩以上所有のいずれかを、二級町村が①地租を年一〇銭以上納める②直接国税北海道水産税を年五〇銭以上納める③耕地一町歩もしくは宅地一〇〇坪以上所有のいずれかを満たさなければ与えられなかった。白石村の例をみると、明治三十五年(人口三三六四人)村会議員選挙有権者は二〇六人で逐年減少をきたすが、のちに回復し大正八年(人口五七八九人)には二八二人になった。豊平町をみても明治四十年(人口一万三九七人)が二四七人、大正九年(人口一万二七七〇人)が二九六人で、町村政は一部の有産者によってすすめられたといえる。
 議員数は人口段階別に表9のように定められ、一級町村で八~二四人、二級町村が四~一二人であったから、選挙年によって議員数が異なり、その人口は道庁告示によった。現札幌市域七町村の町村会議員を表10に示したが、疑点が多く後日の修正を必要とする。
表-9 町村会議員数
1級町村(1級町村制37条)2級町村(明35道庁令46号)
人口議員数人口議員数
  1,500人未満8人 1,000人未満4人
  1,500人~ 5,000人12人 1,000人~2,000人6人
  5,000人~10,000人16人 2,000人~3,000人8人
 10,000人~20,000人20人 3,000人~5,000人10人
 20,000人以上24人 5,000人以上12人
町村状況により増減が認められる。

表-10 区制期の町村会議員
札幌村篠路村琴似村手稲村藻岩村豊平村(町)白石村

35

6

1

高木桂治鈴木勝太郎阿部幤治緑川禎三郎鈴木豊三郎
山本友之村上貞槌佐藤珍平(奥山喜代太郎)小池嘉一郎
楡井秀昌近藤新太郎阿部仁太郎小飼喜太郎
伊藤庄五郎大村欣一佐藤吉蔵平塚直幹
橋場清次郎福原徳治吉田善太郎西沢金兵衛
湯浅与三次郎川中長三郎長岡徳太郎黒沢成教
水森太次郎小島尚友佐々木賢次郎峰田与三郎
吉田石太郎佐藤隆之祐高屋重太郎藤田喜三郎
大島石太郎岡本島次郎寺田覚太郎安斉真睦
大島金蔵名島近太郎上原喜六羽部篤行
石田康(?)早川正利(菅野嘉猷)

37

6

1

橋場清次郎川中長三郎早川正利佐藤珍平淵野半平
山本宗吉山城岩太郎阿部仁太郎斉藤秀松大泉安定
水森太次郎村上貞槌砂金佐太郎小飼喜太郎
石田康藤山幸一寺田覚太郎宮永嘉三右衛門
武井磯吉近藤新太郎阿部幤治黒沢成教
橘仁大村欣一吉田善太郎小池嘉一郎
柏野仁太郎鈴木勝太郎増山福太郎長浜長松
大島金蔵池田七蔵山崎為吉西沢金兵衛
山本友之佐藤隆之祐北川徳兵衛高野安定
灰野清太郎永峰忠次郎山田源右衛門加藤利教

39

6

1

大島金蔵古野房吉稲野寅記土田金次郎早川正利杉本専治郎
山本宗吉石岡貞蘭江良寅吉上田善七遠谷末次郎太斉忠明
橋場清次郎大沼佐吉長崎道助不 詳大島八郎角庄太郎平塚直幹
楡井秀昌太田豊太郎渥美兵二郎小野寺安太夫江森米吉黒沢成教
高橋磯吉宮森与次郎国瀬源也野沢三八阿部幤治長浜長松
水森太次郎沢田市太郎中尾慶蔵斉藤捨吉宮城昌章大泉安定
山本友之松村元右衛門小泉主税小村亀十郎吉田善太郎淵野半平
石田康木野為次郎岡村勘助高橋祐蔵北川徳兵衛宮永嘉三右衛門
吉田石太郎平石吉次藤谷惣九郎山崎為吉西沢金兵衛
武井磯吉牧野清作太田正山田源右衛門小飼喜太郎
我孫子倫彦寺田覚太郎(小池嘉一郎)
横尾直志郎佐藤珍平

41

6

1

武井磯吉小林弁吉中山武雄及川専治小野寺安太夫*2級 明40.5.31太斉忠明
山本友之天羽武市津田八郎近藤新太郎朽木留四郎阿部幤治大川利吉杉本専治郎
国安徳五郎太田豊太郎内山一太郎川中長三郎上田善七茂木幸助西田鈴四郎山内嘉太郎
石田康沢田市太郎伊藤小弥太竹内静勝土田金次郎北川徳兵衛天下藤右衛門伊藤兵吉
水森太次郎木野為次郎石川藤四郎岡本槌太郎黒河内一八吉田善太郎大森由蔵阿部初太郎
渡辺政盛大沼佐吉斉藤休左衛門池田七蔵斉藤捨吉山田源右衛門淵野半平
山本宗吉石岡貞蘭岡村勘助藤山幸一佐藤惣平小池嘉一郎
稲葉又助松村元右衛門石山源之助久守久作藤谷惣九郎*1級 明40.6.1黒沢成教
(補選不詳)大久保喜一郎岡田栄吉角猪三郎江森米吉黒岩卯太郎武田鹿治
大島金蔵坂木勝彦高田浅五郎高野快司寺田覚太郎砂金佐太郎西沢金兵衛
(補選不詳)牧野清作小林広吉三浦茂右衛門枝元豊次郎大橋吉松
吉田石太郎米屋甚松小村亀十郎福島茂一郎片山亀吉菅野義実
(補選不詳)佐藤吉蔵(補選なし)

43

6

1

武井磯吉石岡貞蘭牧野清作及川専治上田万平*改選2級 明43.5.31黒沢成教
高木桂治木野為次郎庄司栄七近藤新太郎上田善七高木熊蔵大森由蔵淵野半平
国安徳五郎佐久間峯太郎大久保喜一郎岡本槌太郎高野快司増山福太郎山田源右衛門杉本専治郎
大越孫十郎宮森与次郎伊藤小弥太藤山幸一土田金次郎小池嘉一郎
岡田松蔵大萱生秀作中山武雄川中長三郎畠山松太郎*改選1級 明43.6.1山内嘉太郎
水森太次郎後町源一東政太郎池田七蔵永田円治本間鹿蔵中井米吉武田鹿治
田中常吉高見彦助石川藤四郎藤原政治小村亀十郎重延卯平武縄常太郎阿部初太郎
今野得賓大沼佐吉岡村勘助竹内静勝桐山角三郎伊藤兵吉
渡辺政盛新玉能江頭庄三郎久守久作*補選1級山崎吉松
橋場清次郎藤井半平平石吉次高田浅五郎長岡徳太郎布川清四郎鈴木豊三郎
横尾直志郎佐藤基治森本秀三郎
吉村佐太郎

45

6

1

伊藤久米治石岡貞蘭斉藤休左衛門生田寅之丞小村亀十郎阿部初太郎
橋場清次郎天羽武平石川藤四郎及川専治小野高治淵野半平
大越孫十郎後町源一廻享石井捨太郎梶川新次郎山内嘉太郎
岡田松蔵沢田市太郎山田常彦竹内静勝上田万平*大2.5.31山森吉蔵
高木桂治山坂権太吉村佐太郎近藤新太郎上田善七改選を含む2級遠藤留吉
高橋磯吉太田豊太郎岡村勘助池田七蔵土田金次郎大森由蔵種村留吉竹内文吉
国安徳五郎木野為次郎斉藤英吉藤原政治畠山松太郎松本荘吉岩本吉次郎大川円松
田中常吉佐久間峯太郎庄司栄七三上藤一郎永田円治佐藤基治布川清四郎長浜久松
相沢鉄太郎西村壹次郎中山武雄岡本槌太郎吉田善太郎(補選不詳)大橋吉松
湯浅宅次郎黒田和平大久保喜一郎川中長三郎増山福太郎(補選不詳)藤田喜三郎
東政太郎
後藤喜平治

3

6

1

豊田藤吉後町源一斉藤英吉及川専治梶川新次郎*大2.6.1高橋良昌
伊藤久米治山本喜太郎庄司栄七岡本槌太郎松浦丑次郎改選を含む1級小神太三郎
水森太次郎天羽武平三谷源太郎村上貞槌葛綿伊勢松武縄常太郎大久保吉松阿部初太郎
橋場清次郎沢田市太郎小谷幸勝石井捨太郎上田善七本間荘四郎石田喜三郎藤田喜三郎
高橋磯吉山坂権太金田駒治近藤新太郎畠山松太郎山際孫四郎重延卯平杉本専治郎
湯浅宅次郎大沼三四郎伊藤小弥太竹内静勝土田金次郎林由太郎中井米吉遠藤留吉
岩波勇五郎藤井勝之助高橋儀助藤原政治斉藤達蔵田畑辰之助
渡辺政盛中野亮井田吉平理寛寺五一小野高治樋口重蔵
村上六松木野為次郎東政太郎池田七蔵米沢助左衛門
国安徳五郎佐久間峯太郎大久保喜一郎久守五作淵野半平
(馬場慶太郎)鈴木寅吉
中山武雄

5

6

1

許士善太郎二瓶只四郎武田勘右衛門
橋場清次郎廻享*大5.5.31黒沢成教
村上六松不 詳伊藤清司不 詳不 詳改選を含む2級桝沢福之助
高木健治岡村勘助佐藤基治曽根原助十立山百勇
氏家除長斉藤英吉岩本吉次郎三佐川幾太郎阿部仁太郎
湯浅藤吉三谷源太郎郷頭延一原田与三郎杉本専治郎
馬場慶太郎中山武雄種村留吉南里虎一郎吉田善太郎
高橋磯吉東政太郎向島粂之助吉田善太郎淵野半平
松川鶴松庄司栄七小神太三郎
山森与曽松大久保喜一郎*大5.6.1樋口重蔵
羽吹源次郎山田常彦改選を含む1級山森吉蔵
笹川平次郎伊藤小弥太本間荘四郎山際孫四郎藤田喜三郎

7

6

1

許士善太郎竹花源之助徳田広太大滝豊吉杉本専治郎
橋場清次郎廻享大久保吉松末広愛吉淵野半平
村上六松不 詳米屋甚松不 詳不 詳中井喜太郎布川清四郎山森吉蔵
豊田藤吉真柳六蔵確井太七森田万次郎立山百勇
大畑吉右衛門斉藤英吉樋口重蔵
荒木兵蔵三谷源太郎阿部仁太郎
三浦三郎中山武雄黒沢成教
高橋磯吉郡友寿佐々木九郎
松川鶴松白水俊太郎平井松太郎
山森与曽松伊藤小弥太*大8.5.31三坂観浄
羽吹源次郎山田常彦改選を含む2級竹内文吉
福本寅吉東山源蔵竹田伊三郎正木繁蔵遠藤丈治郎

9

6

1

許士善太郎石岡貞蘭二瓶只四郎塚本喜一郎飛瀬作太郎淵野半平
橋場清次郎堀田栄作三谷源太郎荒井伊右衛門本間与三郎平井松太郎
村上六松川口新三郎白水俊太郎不 詳不 詳山際孫四郎中川由吉阿部久四郎
大越孫十郎木野為次郎福定三之助見上権太郎柳瀬藤太郎木村利建
高屋敷平作高見彦助庄司栄七勝見直吉
三浦三郎森田宇蔵佐々木一徳伊藤佐一郎
前田博宮西頼一小谷幸勝*大8.6.1川畑新吉
高木健治岡本友吉斉藤英吉改選を含む1級橘野藤二
山森与曽松伊藤小弥太沢田清五郎西二三武田勘右衛門
福本寅吉金田駒治佐藤伊勢造大久保清太郎岩本辰雄
湯浅藤吉中山武雄種村留吉宮崎治吉郎村本金次郎
(荒木兵蔵)中島駒太郎土門留吉石丸多三郎大川円松
十川林三郎川島桂蔵末広愛吉
(補選なし)

11

6

1

許士善太郎水上平作二瓶只四郎岡内俊助上田万平*大11.5.31鷲田弥太郎
橋場清次郎川口新三郎福定三之助宮城和一上田善七改選を含む2級鈴木広三
村上六松大沼三四郎金田駒治国領政太郎金野惣之助本間与三郎見上権太郎勝見直吉
佐藤市太郎藤井勝之助斉藤英吉村田音二郎三浦長蔵竹田伊三郎正木繁蔵伊藤佐一郎
樋口辰平真貝盛三郎庄司栄七村上貞槌松浦丑次郎飛瀬作太郎山際孫四郎淵野半平
佐久間高蔵宮西頼一三谷源太郎原田真砂男梶川新次郎塚本喜一郎荒井伊右衛門平井松太郎
岩田亀蔵木野為次郎中島駒太郎塩野谷平蔵東清之助柳瀬藤太郎中川由吉樋口重蔵
柏野仁太郎福田雄之允中山武雄久守五作葛綿伊勢松*大11.6.1山下喜蔵
高木健治大久保喜一郎平田豊次郎小野高治改選を含む1級西出初蔵
山森与曽松中原寿市藤山幸一村端仁太郎種村留吉西二三中沢八太郎
佐藤吉蔵小谷幸勝大久保清太郎沢田清五郎阿部仁太郎
福本寅吉小田岩蔵石丸多三郎宮崎治吉郎村本金次郎
土門留吉佐藤伊勢造
川島桂蔵天下岩松
各町村史誌をもとに新聞記事などで補ったが,氏名について疑点,不詳の個所が多い。

 琴似村の例によると、選挙にあたって事前に有権者による予選会が村内各部(組)で行われ、候補者を決めてのち選挙日に臨んだ。「大正五年五月廿日 村会議員改撰ノ為、猶(予)撰会自宅ニテ催ス……廿七日入場券各組長ニ配附ス……六月一日村会議員選挙……」(内館泰三筆記史料のうち、安細手控)。その結果、議員定数の候補者が調整選出されたが、大正九年の村会議員選挙で初めてこの均衡が崩れ、定数以上の候補者が立って落選者を生んだという(琴似町史)。すべての町村が同様ではなく、激しい選挙戦を繰り広げたところもあるが、予選制もまた少なくなかった。